お使いのiPhoneで、突然の災害時に重要な役割を果たす災害アラームが鳴らない、という経験はありませんか?
多くの人が、緊急地震速報 オンにしてるのに鳴らない状況に戸惑いや不安を感じています。
災害アラームが鳴らないのはなぜか、その原因は一つではありません。
もしかしたら、緊急速報が鳴らないのは位置情報や地域設定の見直しが必要なのかもしれません。
また、マナーモードでも緊急地震速報は鳴るのか?といった具体的な疑問や、逆に緊急速報 オフなのに鳴るという不思議な現象に遭遇した方もいるでしょう。
この記事では、地震アラートが鳴らないiPhoneはどうすればいいのか、その具体的な解決策を分かりやすく解説します。
iPhoneの災害アラームの受信設定の確認から、いざという時のためのiPhoneの緊急アラームの鳴らし方まで、あなたの「もしも」に備えるための情報を網羅しています。
iPhoneの災害アラームが鳴らないときの原因とは?
- 災害アラームが鳴らないのはなぜ?
- 緊急地震速報をオンにしてるのに鳴らない原因
- 緊急速報が鳴らないのは位置情報が原因か
- 意外と見落としがちな地域設定の確認
- 緊急速報がオフなのに鳴るケースもある?
災害アラームが鳴らないのはなぜ?

いざという時に命を守るための重要な機能である、iPhoneの緊急速報(災害アラーム)。
これが鳴らないと、非常に不安になりますよね。
設定をオンにしているはずなのに、周囲のiPhoneだけが鳴り響き、自分の端末は静かなまま…という経験をされた方もいるかもしれません。
実は、iPhoneの災害アラームが鳴らない原因は決して一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
iPhoneの設定一つをとっても、見落としがちな項目があったり、普段何気なく使っている機能が影響していたり、あるいはその時の利用環境が受信を妨げていたりします。
この問題を理解するため、考えられる原因を大き「設定の問題」「電波環境の問題」「受信条件の問題」という3つのカテゴリーに分けて、それぞれを詳しく見ていきましょう。
考えられる主な原因の全体像
これから解説する3つの原因は、それぞれが独立しているわけではなく、複合的に影響し合うことがあります。
まずは全体像を掴むことが、解決への近道となります。
- 設定の問題:通知の基本設定はもちろん、「常に警報音を鳴らす」設定や集中モード、OSのバージョンなど、ソフトウェア側の要因。
- 電波環境の問題:圏外や機内モードだけでなく、Wi-Fi接続時や通話中など、通信の「質」や「状態」に関する要因。
- 受信条件の問題:警報が配信される対象エリアにいるか、震源地との距離はどうか、といった物理的・地理的な要因。
これらの原因は、単純なオン・オフの確認だけでは見えてこない、いわば「隠れた」問題点を含んでいます。
例えば、iPhoneの通知設定内で「緊急速報」という大元のスイッチがオンでも、その中にある「常に警報音を鳴らす」という個別の設定がオフだと、マナーモード中には警報音が鳴りません。
このように、設定は階層構造になっており、一つ一つの項目を丁寧に確認していくことが、問題解決の第一歩となるのです。
震源地に近いと警報は間に合わないことも
緊急地震速報は、地震の初期微動(P波)を検知し、大きな揺れ(S波)が到達する前に警報を出すシステムです。
そのため、震源地に極めて近い地域では、警報の計算や配信が揺れの到達に間に合わず、警報が鳴る前に揺れが始まったり、ほぼ同時に鳴ったりすることがあります。
これはシステムの限界であり、故障ではありません。
「設定はオンにしたはずなのに…」と感じる方の多くが、こうした細かい設定項目や、その時の電波状況、さらには警報システムの特性そのものを見落としているケースが多いようです。
まずは慌てずに、基本的な部分から一緒に確認していきましょう。
緊急地震速報をオンにしてるのに鳴らない原因

「設定画面で緊急地震速報をオンにしているのに、いざという時に鳴らなかった」という声は非常に多く聞かれます。
これはユーザーにとって最も混乱する状況の一つですが、考えられる原因を一つずつ潰していくことで解決できる場合がほとんどです。
iOSの特定の設定項目
前述の通り、iOSには緊急速報に関する複数の設定項目が存在します。
特にiOS 16以降で追加された「常に警報音を鳴らす」というオプションは重要なポイントです。
この設定がオフの場合、iPhoneがマナーモードになっていると、画面に通知は表示されても、あの独特の警報音は鳴動しません。
災害時には音で気づくことが非常に重要ですので、この設定は必ずオンにしておくことをお勧めします。
設定項目 | マナーモード時の動作 | 推奨設定 |
---|---|---|
常に警報音を鳴らす:オン | 警報音が鳴る | 推奨 |
常に警報音を鳴らす:オフ | 警報音は鳴らない(通知のみ) | 非推奨 |
集中モード(おやすみモード)の影響
iPhoneの「集中モード」は、仕事や睡眠中に通知を制限できる便利な機能ですが、これが緊急速報の受信を妨げる原因になることがあります。
多くの緊急速報は集中モードを貫通して通知されるように設計されていますが、設定によっては通知が遅れたり、届かなかったりする可能性もゼロではありません。
特に、緊急性の低いとされる一部の地方公共団体の避難情報などは、設定次第で抑制される可能性があります。
確実に受信したい場合は、集中モードの設定で「即時通知」を許可しておくと安心です。
通話やデータ通信中の受信
iPhoneの仕様上、通話中や大容量のデータ通信を行っている最中は、緊急速報メールを受信できない場合があります。
これは、携帯電話の回線が他の通信で専有されているために起こる現象です。
この仕様は覚えておくべき重要なポイントです。
緊急速報が鳴らないのは位置情報が原因か

緊急速報の受信において、「位置情報」は非常に重要な役割を担っています。
警報は、特定の地域にいるユーザーに対して配信されるため、iPhoneが現在地を正確に把握できているかどうかが、受信の可否を分けることがあります。
基地局による位置特定とGPS
緊急速報メール(ETWS)は、携帯電話の基地局の情報を基に、そのエリア内にいる端末へ一斉配信される仕組みです。
そのため、基本的にはGPSがオフでも受信は可能です。
しかし、より精度の高い情報を受信するためには、位置情報サービスをオンにしておくことが推奨されます。
例えば、市区町村の境界線近くにいる場合、隣のエリアの基地局の電波を拾ってしまうことがあります。
その結果、自分がいる地域が警報の対象であっても、対象外のエリアにいると誤認され、速報が届かないケースが発生し得ます。
米国で導入された高精度な位置情報機能
Appleは米国において、緊急警報の適時性や正確性を向上させるために、おおよその位置情報に基づいた警報配信機能を導入しています。
これは、従来の基地局情報だけに頼るのではなく、デバイスの位置情報も加味して、よりきめ細やかな警報配信を目指すものです。(参照:Apple公式サイト)
日本ではまだ同様の機能は全面的に導入されていませんが、「設定」アプリ → 「通知」 → 「緊急速報」内にある「現在地を検出」をオンにしておくことで、将来的な機能向上に対応できるほか、一部の警報で精度が向上する可能性があります。
位置情報サービスの設定確認
「設定」 → 「プライバシーとセキュリティ」 → 「位置情報サービス」がオンになっているか確認しましょう。
また、念のため「システムサービス」内にある「緊急速報およびSOS」の項目もオンになっているかチェックすると、より万全です。
意外と見落としがちな地域設定の確認

iPhoneの基本的な「地域設定」も、緊急速報の受信に影響を与える可能性があります。
通常、日本国内で購入し、日本の通信事業者と契約しているiPhoneであれば、この設定が問題になることはほとんどありません。
しかし、海外で購入したiPhoneを使用している場合や、何らかの理由で設定が変更されてしまった場合には、日本の緊急速報システムに対応できず、警報が受信できないことがあります。
地域設定の確認方法
お使いのiPhoneの地域設定は、以下の手順で確認できます。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「言語と地域」をタップ
- 「地域」の項目が「日本」になっていることを確認する
もしここが「日本」以外に設定されていた場合、日本の気象庁や政府から配信される緊急速報を正しく受信できない可能性があります。
海外渡航後などに設定が変わっていないか、一度確認してみることをお勧めします。
「まさかそんな設定が…」と思うかもしれませんが、意外な落とし穴となっているケースです。
特に中古のiPhoneや海外版のSIMフリー端末を利用している方は、一度チェックしてみてくださいね。
緊急速報がオフなのに鳴るケースもある?

通常、緊急速報は設定をオフにすれば受信しません。
しかし、「設定をオフにしたはずなのに警報が鳴った」という稀なケースも報告されています。
これにはいくつかの理由が考えられます。
オフにできない種類の警報
国や地域によっては、国民の生命に重大な影響を及ぼす可能性のある、最高レベルの警報については、ユーザーが受信を拒否(オフに)できない仕様になっていることがあります。
日本においても、Jアラート(全国瞬時警報システム)で配信される弾道ミサイル情報など、極めて重大な情報は、設定に関わらず強制的に配信される可能性があります。
これは、個人の設定よりも公共の安全が優先されるべきという考え方に基づいています。
設定の不具合や反映の遅れ
もう一つの可能性として、ソフトウェアの一時的な不具合や、設定変更がシステムに即座に反映されていないケースも考えられます。
設定をオフにした直後などに、タイミング悪く警報が配信された場合、変更前の設定で受信してしまうこともあり得ます。
もし頻繁にオフ設定を無視して警報が鳴るようであれば、一度iPhoneを再起動したり、最新のiOSにアップデートしたりすることで、問題が解決することがあります。
試験放送や訓練情報
地方公共団体によっては、防災訓練の一環として、緊急速報の試験放送を行うことがあります。
この試験放送は、本番同様のシステムを使って配信されるため、設定をオフにしていても受信してしまう場合があります。
お住まいの自治体のホームページなどで、訓練の実施予定がないか確認してみるのもよいでしょう。
iPhoneの災害アラームが鳴らない問題の解決策
- iPhoneの災害アラームの受信設定を見直す
- 地震アラートが鳴らないiPhoneはどうすればいいか
- 基本的なiPhoneの緊急アラームの鳴らし方
- マナーモードでも緊急地震速報は鳴るのか?
- iPhoneの災害アラームが鳴らない時の最終チェック
iPhoneの災害アラームの受信設定を見直す

iPhoneで災害アラームが鳴らない問題の多くは、設定を見直すことで解決できます。
ここで、警報を確実に受信するために確認すべき設定手順を、順を追って詳しく解説します。
基本的な受信設定の確認手順
まずは、緊急速報を受信するための大元の設定がオンになっているかを確認しましょう。
- ホーム画面から「設定」アプリを開きます。
- 「通知」をタップして、画面を一番下までスクロールします。
- 「緊急速報」という項目をタップします。
- 「緊急速報」のスイッチが緑色(オン)になっていることを確認します。オフの場合は、タップしてオンに切り替えてください。
最重要チェックポイント:「常に警報音を鳴らす」
前述の通り、「緊急速報」のスイッチの下にある「常に警報音を鳴らす」の設定が非常に重要です。
このスイッチをオンにしておくことで、iPhoneがマナーモード(サイレントモード)や集中モードに設定されていても、強制的に最大音量で警報音が鳴り響きます。
災害時の気づきを確実にするため、ここは必ずオンにしておきましょう。
これらの設定は、緊急地震速報だけでなく、津波警報や国・地方公共団体からの災害・避難情報など、さまざまな種類の緊急速報に適用されます。
一度設定しておけば、様々な緊急事態に対応できます。
地震アラートが鳴らないiPhoneはどうすればいいか

基本的な設定を確認してもなお、地震アラートが鳴らない場合は、さらにいくつかの点を確認・対処する必要があります。
ここでは、一歩進んだトラブルシューティングの方法を紹介します。
通信環境を再確認する
緊急速報は携帯電話網を利用して配信されるため、安定した電波状況が不可欠です。
- 機内モードになっていませんか?:コントロールセンターや設定から機内モードがオフになっていることを確認してください。
- 電波が圏外ではありませんか?:地下や建物の中など、電波の届きにくい場所にいると受信できません。
- Wi-Fiにだけ接続していませんか?:緊急速報はモバイルデータ通信網で配信されます。Wi-Fiのみの接続でモバイルデータ通信がオフになっていると受信できないことがあります。「Wi-Fiアシスト」をオンにしておくと、Wi-Fiの電波が弱いときに自動でモバイルデータ通信に切り替わるため、受信の助けになる場合があります。
ソフトウェアを最新の状態に保つ
古いバージョンのiOSを使用していると、緊急速報の受信機能に不具合があったり、最新の警報システムに対応していなかったりする場合があります。
常に最新のiOSにアップデートしておくことは、セキュリティ対策だけでなく、こうした重要な機能の安定性を保つためにも重要です。
「設定」 → 「一般」 → 「ソフトウェアアップデート」から、最新のバージョンが提供されていないか確認しましょう。
防災アプリの併用も検討しよう
iPhoneの標準機能だけに頼らず、「Yahoo!防災速報」などのサードパーティ製アプリを併用することも非常に有効な対策です。
これらのアプリは、インターネット回線(プッシュ通知)を利用して情報を配信するため、携帯電話の緊急速報メールとは別のルートで警報を受け取れます。
これにより、受信の機会が二重になり、より確実に情報を得られるようになります。
基本的なiPhoneの緊急アラームの鳴らし方

iPhoneの緊急アラーム(緊急速報)は、ユーザーが手動で鳴らすものではなく、気象庁や国、地方公共団体から配信される情報を「受信」することで自動的に鳴動する仕組みです。
そのため、「アラームの鳴らし方」とは、すなわち「アラームを正しく受信できる状態にしておく方法」と言い換えることができます。
これまで解説してきた設定を正しく行うことが、アラームを「鳴らす」ための全てです。
おさらいとして、最低限必要な条件を以下にまとめます。
緊急アラームが鳴るための必須条件
- iPhoneの電源がオンになっている
- 機内モードがオフで、電波を受信できる状態にある
- 「設定」→「通知」→「緊急速報」がオンになっている
- 警報が配信される対象エリア内に滞在している
これらの条件が満たされていれば、気象庁が「最大震度5弱以上」と予想した地震(強い揺れが予想される地域は震度4以上)や、津波警報などが発表された際に、iPhoneは自動的にあの特徴的な警報音を鳴らします。(参照:気象庁「緊急地震速報を適切に利用するために」)
つまり、ユーザー側で何か特別な操作をする必要はなく、事前の「備え」としての設定がすべて、ということになります。
マナーモードでも緊急地震速報は鳴るのか?

この質問は、iPhoneユーザーから非常によく寄せられる疑問の一つです。
会議中や就寝中など、普段は音を鳴らしたくない状況でマナーモードにしていても、緊急時には警報に気づけるのか、という不安の表れでしょう。
結論から言うと、「設定次第で鳴ります」。
この挙動をコントロールするのが、これまで何度も触れてきた「常に警報音を鳴らす」という設定です。
この設定のオン・オフによる動作の違いを、改めて表で確認しましょう。
設定(常に警報音を鳴らす) | マナーモードONの時の動作 | マナーモードOFFの時の動作 |
---|---|---|
オン(推奨) | 鳴る | 鳴る |
オフ | 鳴らない | 鳴る |
このように、「常に警報音を鳴らす」をオンにしておけば、本体側面のスイッチでマナーモードにしていても、緊急地震速報や津波警報などの重大な通知は、強制的に音で知らせてくれます。
まさに「もしも」のための設定なので、特別な理由がない限りは必ずオンにしておくべきです。
イヤホン接続中の動作
イヤホンやヘッドホンを接続している場合、警報音はイヤホンからだけでなく、iPhone本体のスピーカーからも同時に鳴動するのが一般的です。
これにより、イヤホンで音楽を聴いていて周囲の音に気づきにくい状況でも、警報を聞き逃すリスクを低減しています。
iPhoneの災害アラームが鳴らない時の最終チェック

もし、これまでに解説した全ての原因と対策を確認しても、まだiPhoneの災害アラームが鳴らない、あるいは鳴るかどうか不安だという場合は、この記事の総まとめとして、最終チェックリストを確認しましょう。
万が一の事態に備え、万全の状態を整えるための最後のステップです。
最終チェックリスト
- 設定の確認:
- 「設定」→「通知」→「緊急速報」はオンか?
- 「常に警報音を鳴らす」はオンか?
- 「言語と地域」設定は「日本」になっているか?
- 環境の確認:
- 機内モードはオフになっているか?
- モバイルデータ通信は有効か?
- 通話中や大容量通信中ではないか?
- ソフトウェアの確認:
- iOSは最新バージョンにアップデートされているか?
- iPhoneを再起動して、一時的な不具合をリセットしたか?
- 代替手段の確保:
- 「Yahoo!防災速報」などの補助的な防災アプリはインストールしたか?
これらの項目を全てクリアしていれば、iPhoneの標準機能で緊急速報を受信できる可能性は非常に高くなります。災害はいつどこで起こるか分かりません。
「自分のiPhoneは大丈夫」と過信せず、定期的に設定を見直す習慣をつけることが、あなた自身や大切な人の命を守ることに繋がります。