こんにちは、スマリズのNaoです。
Nothingの製品って、デザインが本当におしゃれで気になりますよね。
特にサブブランドのCMF by Nothingから出ているスマートウォッチは、価格も手頃でデザインもユニークなので、ついチェックしちゃいます。
そんな中、「NothingのスマートウォッチでSuicaが使えたら最高なのに…」と考える人は多いんじゃないかなと思います。
実際、「nothing スマート ウォッチ suica」といったキーワードで検索している方がとても多いみたいですね。
Nothingのスマホ「Phone (2a)」がFeliCaに対応したこともあって、ウォッチ(特にcmf watch pro)の決済機能やNFCの対応状況に期待が高まるのは、すごく自然なことだと思います。
ただ、結論から言ってしまうと…。
この記事では、NothingスマートウォッチとSuicaの互換性について、2025年現在の状況を詳しく調べてみました。
NothingスマートウォッチのSuica対応は?
- CMF Watch ProはSuica非対応
- FeliCa(フェリカ)非搭載が理由
- なぜSuica対応と期待されるのか?
- スマホ(Phone 2a)はSuica対応
- CMF Watch Proの決済機能まとめ
- CMF Watch ProのNFC対応状況
CMF Watch ProはSuica非対応

まず結論から。
2025年現在、NothingおよびサブブランドのCMF by Nothingから発売されている、すべてのスマートウォッチ製品はSuicaに一切対応していません。
「え、あのデザインでSuica使えたら最高なのに!」と思いますよね…。
私もそう思っていた一人です。ですが、残念ながらこれは事実なんです。
これには、現在市場に出ている以下のモデルがすべて含まれます。
- CMF Watch Pro (第一世代)
- CMF Watch Pro 2
- CMF Watch 3 Pro
残念ながら、現状ではどのモデルを選んでもSuicaを使うことはできません。
今後、Nothingブランド本体から(CMFではない)上位モデルの「Nothing Watch」のようなものが出たとしても、現時点ではSuica対応のアナウンスはありません。
デザインが素敵なだけに、これは本当に残念なポイントですね。
FeliCa(フェリカ)非搭載が理由

なぜSuicaが使えないのかというと、理由はとてもシンプルです。
それは、Suicaを利用するために必須となる非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」のチップが、ウォッチ本体に物理的に搭載されていないためです。
これは、アプリのアップデートやソフトウェアの更新でどうにかなる問題ではなく、「ハードウェア(物理的な部品)レベルでの問題」なんですね。
NFCには種類がある
よく「NFC搭載」とひとくくりにされがちですが、NFC(近距離無線通信規格)にはいくつか種類があります。
- NFC Type-A / Type-B: 海外で主流の規格。Visaのタッチ決済やMastercardコンタクトレスなどに使われます。
- NFC Type-F (FeliCa): ソニーが開発した日本独自の規格。処理速度が非常に速いのが特徴で、SuicaやPASMO、おサイフケータイ(iD, QUICPayなど)の基盤技術です。
FeliCaというのは、ソニーが開発した日本独自の規格(NFC Type-F)です。
私たちが普段使っている交通系ICカードや「おサイフケータイ」の基盤技術ですね。
海外で主流のNFC(Type-A/B)とは異なるため、海外メーカーの製品がSuicaに対応するには、このFeliCaチップを「日本市場向けに」わざわざ追加で搭載する必要があるんです。
CMF Watchシリーズは、このFeliCaチップを搭載していないため、Suicaの情報を書き込むこと自体が構造的に不可能となっています。
なぜSuica対応と期待されるのか?

「でも、なんでこんなに期待されているんだろう?」と思いますよね。
検索キーワードとしてこれだけ話題になるのには、ちゃんとした理由があります。
一番の理由は、やはりNothingやCMFのブランドイメージと、製品の魅力にあると思います。
皆さんが「Suicaに対応してほしい!」と期待するのも、すごくよく分かります。
- 圧倒的なデザイン性:透明感のあるスケルトンデザインや、ドットで描かれるUI(ユーザーインターフェース)など、他のメーカーにはないユニークさ、ガジェット好きの心をくすぐる魅力があります。
- 魅力的な価格設定:これだけのデザインと大きな画面を持ちながら、スマートウォッチとしては価格が比較的リーズナブル(特にCMFブランド)です。
- ブランドへの期待感:新進気鋭のブランドとして、「何か新しいことをやってくれるんじゃないか」というワクワク感がありますよね。
これだけ魅力的なデバイスに、「もしSuica(決済機能)が加われば最強なのに…」と期待するのは、ガジェット好きとして当然の心理かもしれません。
そして、その期待を最も大きくした理由が、次に紹介する「スマートフォンでの実績」です。
スマホ(Phone 2a)はSuica対応

ユーザーの期待や混乱(「使えるはず」という思い込み)の最大の原因は、Nothingが「スマートフォン」カテゴリでは、日本市場の要求(FeliCa)に応えた実績がある点です。
2024年に発売された「Nothing Phone (2a)」は、日本市場向けのモデルでFeliCaを搭載し、「おサイフケータイ」(モバイルSuica)に完全対応しました。
これは、Nothingが日本市場を重視しているという強いメッセージになりましたよね。
さらに、サブブランドの「CMF Phone 2 Pro」も、日本モデルではおサイフケータイ対応を謳っています。
この「スマホでの成功体験」が、そのまま「ウォッチにも当然…」という期待につながっているわけです。
ブランド内の「戦略の違い」が混乱の元
つまり、Nothing / CMFというブランドは、日本市場において、製品カテゴリごとで明確な戦略の線引きを行っているんです。
この違いを理解することが、混乱を解くカギになります。
| 製品名 | カテゴリ | FeliCa(おサイフケータイ) | Suica対応 |
|---|---|---|---|
| Nothing Phone (2a) | スマートフォン | ○ (搭載) | ○ (対応) |
| CMF Phone 2 Pro | スマートフォン | ○ (搭載) | ○ (対応) |
| CMF Watch Pro | スマートウォッチ | × (非搭載) | × (非対応) |
| CMF Watch Pro 2 | スマートウォッチ | × (非搭載) | × (非対応) |
| CMF Watch 3 Pro | スマートウォッチ | × (非搭載) | × (非対応) |
このように、ブランドが意図的に戦略を変えています。
- スマートフォン(高価格帯):ローカライズ(FeliCa搭載)してでもシェアを取りに行く! → Suica対応
- スマートウォッチ(低価格アクセサリ):低価格・グローバル共通仕様を優先 → Suica非対応
この「スマホではできたのに、ウォッチではやらない」という戦略の違いが、私たちユーザーの期待とのギャップを生んでいるんですね。
CMF Watch Proの決済機能まとめ

「Suicaがダメなのは分かった。じゃあ、Visaのタッチ決済とか、他の決済機能はどうなの?」
そう思いますよね。
Suica(FeliCa)がダメでも、せめて海外で主流のNFC決済(Type-A/B)だけでも対応していれば、Visaのタッチ決済などで使い道があるかもしれません。
私もそう思って調べたんですが…
残念ながら、CMF Watch Proシリーズは、Suica以外のいかなるタッチ決済(電子マネー)機能にも対応していません。
- Suica / PASMO(FeliCa系):×
- iD / QUICPay(FeliCa系):×
- Visaのタッチ決済(NFC A/B系):×
- Mastercardコンタクトレス(NFC A/B系):×
まさに「決済機能はゼロ」というのが現状です。
CMF Watch ProのNFC対応状況

なぜ他の決済もできないのかというと、それはFeliCaどころか、決済に利用可能なNFCチップ自体を搭載していないからです。
複数の製品仕様書(スペックシート)や海外の詳細なレビューを見ても、CMF Watch Pro(1〜3)のNFCの項目は「No」または「電子マネー:×」と明確に記載されています。
CMFブランドの最大のウリは「圧倒的なコストパフォーマンス」と「長寿命バッテリー」です。
NFCチップを搭載すると、部品コストやライセンス料が上がり、待機電力も消費してバッテリー持ちにも影響します。
あえてNFCを3世代にわたって搭載しないのは、「決済機能は捨ててでも、価格とバッテリー持ちを優先する」というCMFの意図的な「戦略的省略」なんだと思います。
サポートページの誤解に注意!
Nothingの公式サイトなどで「Google Pay, Apple Pay」といった記載を見かけることがありますが、これは「Nothingのオンラインストアで製品(ウォッチ本体やスマホ)を買う時の支払い方法」を説明したものです。
ウォッチ本体にそれらの決済機能が搭載されているという意味では全くないので、誤解しないように注意が必要ですね。
NothingスマートウォッチのSuica代替案
- CMF Watch Proのレビューと評判
- 将来モデルでSuica対応は?
- Suica対応スマートウォッチの選び方
- Pixel Watch / Galaxy Watch
- NothingのスマートウォッチとSuicaの総括
CMF Watch Proのレビューと評判

決済機能はいったん横に置いておいて、「スマートウォッチとしての基本機能はどうなの?」という点も気になりますよね。
決済がなくても、通知や健康管理がしっかりしていれば良い、という考え方もあります。
ただ、実は、海外の掲示板(Reddit)やレビューをチェックしていると、決済機能の非搭載以上に、ソフトウェアの品質やバグに関する指摘が結構目につきました。
コミュニティで報告されている主な問題点
もちろん、全ての個体で発生するわけではなく、アップデートで改善済みのものもあるかもしれませんが、購入を検討する上で知っておくべき「評判」として、以下のような声が上がっています。
- 接続の不安定さ:スマートフォンとのBluetooth接続が頻繁に切れる、再接続がうまくいかない。
- 通知の不具合:LINEやメールなどの通知が来ない、または大幅に遅れる。
- データの問題:歩数や心拍数、睡眠などのフィットネスデータが正しく記録されない、または消失する。
- サポートへの懸念:新製品は次々に出るが、既存製品のバグ修正アップデートがなかなか来ない、という不満の声。
- 機能の不満:Watch 3 Proで宣伝されたChatGPT機能が、実際にはスマホのショートカットに過ぎず、期待外れだったという指摘。
もちろん、アップデートで改善されている部分もあると思いますが、「低価格」を実現するために、ハードウェア(NFC)だけでなく、ソフトウェアの品質管理や長期的なサポート面で、ある程度の妥協(トレードオフ)がある可能性は考慮しておいた方がいいかもしれません。
将来モデルでSuica対応は?

「じゃあ、将来のCMF Watch 4 ProとかでSuicaに対応する可能性は?」
これ、期待したい気持ちは山々なんですが、個人的にはその可能性は限りなくゼロに近いと思っています。
理由は、先ほども触れた「ブランド戦略」であり、もっと具体的に言えば、CMFがSuicaに対応するには「二重の壁」を乗り越える必要があるからです。
CMFがSuicaに対応できない「二重の壁」
CMFウォッチがSuicaに対応するということは、ブランドの根幹を揺るがすほどの大きな変化を意味します。
1. ハードウェアの壁(コストの壁)
CMFの「低価格」戦略と、FeliCaの「高コスト(チップ+ライセンス料)」は根本的に相性が悪いです。FeliCaを搭載すれば、確実に製品価格は上がってしまいます。
それはCMFのブランド哲学に反する可能性が高いです。
2. ソフトウェアの壁(バッテリーの壁)
CMF Watchは、バッテリー持ちを最優先した「独自OS」で動作しています。
これにより「最大10日以上」といった驚異的なバッテリーライフを実現しています。
一方で、Suica(Googleウォレット)を使うには、Googleの「Wear OS」を採用する必要があります。
Wear OSは多機能ですが、バッテリー消費が非常に激しく、多くのモデルが1〜2日程度の充電を必要とします。
Suica対応のために「独自OS」を捨てて「Wear OS」を採用すると、CMFの最大の個性である「長バッテリー」を捨てることになるんです。
この「低価格」と「長バッテリー」という2つのアイデンティティを捨てない限り、Suica対応は不可能です。
もし対応するなら「CMF」ブランドではなく、「Nothing Watch」のような別の上位ブランドとして出すしか道はないかな、と思います。
Suica対応スマートウォッチの選び方

CMFの将来に期待するよりも、今Suicaが使えるウォッチを選ぶ方が現実的ですね。
では、何を選べばいいか。
Suica対応ウォッチを選ぶ際の絶対条件は、お使いのスマホによって異なります。
iPhoneユーザーの場合
これはもうシンプルで、Apple Watch一択です。
Apple Payを通じてSuicaもPASMOも簡単に設定・利用でき、連携も完璧です。
Androidユーザーの場合
Androidユーザーの場合は、少し条件が複雑になります。
以下の条件をすべて満たすモデルを選ぶ必要があります。
- OSの要件:Googleの「Wear OS」を搭載していること。(独自OSは不可)
- ハードウェアの要件:「FeliCaチップ」を搭載していること。(NFC搭載だけではダメ)
- 購入場所の要件:「日本国内で正規販売された」モデルであること。
特に注意したいのが3つ目です。
同じモデル名でも、海外で販売されている並行輸入品などは、コスト削減のためにFeliCaチップが物理的に搭載されていない場合がほとんどです。
安さに惹かれて海外モデルを買うと、Suicaが使えなくて後悔する可能性があるので、必ず「日本国内の正規ルート」で購入してください。(出典:Google ウォレット ヘルプ – スマートウォッチで Google ウォレットを使用する)
※Googleの公式ヘルプでも、FeliCaをサポートするWear OSウォッチが必要である旨が記載されています。
Pixel Watch / Galaxy Watch

上記の「Androidユーザーの条件」を満たす、Suica対応スマートウォッチとして、現在最も代表的かつ安心しておすすめできる選択肢は、実質的に以下の2つ(+α)です。
1. Google Pixel Watch シリーズ
Google純正のWear OSウォッチです。
もちろんFeliCaを標準搭載しており、Googleウォレット経由でSuicaやPASMOをスムーズに利用できます。
Androidスマホ(特にPixel)との相性は抜群で、「Android版Apple Watch」とも言える連携のスムーズさが魅力です。
2. Samsung Galaxy Watch シリーズ
こちらもFeliCaを搭載したWear OSウォッチの主要な選択肢です(※繰り返しになりますが、必ず日本国内で正規販売されたモデルを選んでください)。
Googleウォレットをサポートしており、Suicaの利用が可能です。
円形デザインのバリエーションが豊富で、高機能な点が魅力です。
デザインや機能の好みで、このどちらか(またはApple Watch)を選ぶのが、2025年現在の「Suica対応スマートウォッチ」の現実的な答えになります。
NothingのスマートウォッチとSuicaの総括
最後に、「nothing スマート ウォッチ suica」の対応状況について、この記事の結論をまとめます。
Nothing / CMFウォッチとSuicaのまとめ
- CMF Watch Proシリーズ(1, 2, 3)は、全モデルSuica非対応です。
- FeliCaチップ非搭載のため、Suica以外のNFC決済(Visaタッチ等)も一切使えません。
- スマホ(Phone 2a)はSuica対応ですが、ウォッチは「低価格・長バッテリー」を優先する別戦略が取られています。
- 将来のCMFモデルでのSuica対応の可能性は、ブランド戦略(二重の壁)から考えて、きわめて低いです。
- Suicaを使いたい場合、Pixel WatchやGalaxy Watch(国内版)、またはApple Watchが現実的な選択肢となります。
Nothing / CMFウォッチは、デザインやバッテリー持ちに優れたユニークな製品であることは間違いありません。
あのデザインに惹かれる気持ちは、私もすごくよく分かります。
ただ、Suicaや決済機能を必須と考えるなら、今はまだ選択肢に入らない、というのが正直な結論ですね。
「決済機能はスマホで十分」と割り切ってデザインを楽しむか、「やっぱりウォッチで決済したい」と割り切って別のモデルを選ぶか…。
ご自身の使い方の中で「決済機能」がどれくらい重要かを考えた上で、最適なスマートウォッチを選んでみてくださいね。

