Galaxy Z Fold5を愛用している多くの方が直面する「保護フィルムの剥がれ」。
ある日突然、画面の中央や端に気泡が入り始め、どう対処すれば良いか悩んでいませんか。
この記事では、Galaxy Z Fold5のフィルム剥がれ交換に関する情報を網羅的に解説します。
フィルム剥がれのトラブルが多いのかという疑問から、放置した場合の画面割れのリスク、そもそも保護フィルムが必要かといった基本的な内容にも触れていきます。
さらに、交換を依頼できるGalaxyリペアコーナーの詳細、ドコモやauといったキャリアごとの対応の違い、そして高難易度とされるDIYでの交換方法まで、あなたの疑問や不安を解消するための情報をまとめました。
Galaxy Z Fold5のフィルム剥がれを交換するための基本情報
- フィルム剥がれのトラブルは多いのか?
- 放置すると画面割れのリスクもある
- そもそも保護フィルムは必要か?
- フィルム交換にかかる費用について
- フィルム交換の所要時間の目安
フィルム剥がれのトラブルは多いのか?

結論から言うと、Galaxy Z Fold5をはじめとする折りたたみスマートフォンにおいて、保護フィルムの剥がれは、故障ではなく比較的多く報告されている事象です。
これは製品の不具合というよりも、ディスプレイを物理的に折り曲げるという、折りたたみ端末ならではの構造上の特性によるものと言えます。
メインディスプレイは、超薄型ガラス(UTG)の上に特殊な保護フィルムが貼り付けられた多層構造になっています。
毎日何十回と開閉を繰り返すことで、折り目部分のフィルムに微細なストレスが蓄積し、時間とともに接着が弱まって浮き上がってくるのです。
そのため、これは「消耗」に近い現象と捉えるのが適切です。
多くのユーザー体験談を見ると、フィルムの剥がれが発生する時期は、開閉頻度や使い方によって大きく異なります。
早い方では購入から約6ヶ月、平均的には1年から1年半程度で何らかの変化が見られ始めるようです。
もちろん、使い方によっては2年近く問題なく使用できているケースもあり、一概には言えません。
剥がれの初期症状としては、ヒンジに最も近い折り目部分の上下の端から、小さな気泡が入るようにフィルムが浮き上がってくるケースが大半です。
最初はほんの数ミリの浮きでも、日々の開閉動作によってその範囲は徐々に中央に向かって広がり、最終的にはディスプレイを縦断する一本の線のように剥がれてしまうこともあります。
ポイント:フィルムの剥がれは、Galaxy Z Foldシリーズを使い続ける上での「仕様」とも言えるメンテナンス項目の一つです。
そのため、剥がれてきたからといって過度に心配する必要はありませんが、後述する深刻なトラブルを避けるためにも、適切な対処法を知っておくことが非常に重要になります。
放置すると画面割れのリスクもある

保護フィルムが少し浮いてきただけだからと、そのまま放置するのは非常に危険です。
なぜなら、剥がれたフィルムがデリケートな有機ELディスプレイ本体を傷つけ、最悪の場合、画面割れ(液晶漏れやブラックアウト)につながる可能性があるからです。
特に、剥がれが進行してフィルムとディスプレイの間に隙間ができると、そこに微細なホコリやゴミが侵入します。
その状態で端末を閉じると、侵入した硬い異物がディスプレイ表面を直接圧迫し、傷や凹みを作ってしまいます。
さらに症状が進行してフィルムが乾燥し、硬化して「バリバリ」の状態になると、フィルム自体の破片が鋭利な刃物のように画面を傷つけます。
この状態でスマートフォンを開閉すると、硬化したフィルムが有機ELディスプレイを直接突き刺したり、圧迫したりして、画面に黒い線が入る、タッチ操作が効かなくなる、画面が真っ暗になるといった致命的なダメージを引き起こすことがあります。
画面破損は高額な有償修理に
フィルムの剥がれを放置した結果、ディスプレイ本体が破損してしまった場合、修理は有償となります。
Galaxy Z Fold5のディスプレイ修理は非常に高額で、保証サービスに未加入の場合、10万円近い費用がかかることも珍しくありません。(参照:Samsung公式サイト「Galaxy Z Fold / Z Flipシリーズのメインディスプレイ交換費用」)
無料で済むはずのメンテナンスを怠ったために、大きな出費につながってしまうのです。
「まだ使えるから大丈夫」と安易に考えず、フィルムに異常が見られたら、軽微なうちに対処することがコストを抑える上で最も賢明な判断です。
そもそも保護フィルムは必要か?

Galaxy Z Fold5のメインディスプレイに最初から貼られているフィルムは、私たちが家電量販店などで購入する一般的な「画面保護フィルム」とは、その役割と重要性が根本的に異なります。
この純正フィルムは、柔らかく傷つきやすい有機ELディスプレイを物理的に保護し、折り曲げの耐久性を補助するための重要な構成部品の一部です。
公式サポートページでも、この特殊な保護フィルムをユーザー自身が意図的に剥がさないよう、強く注意喚起がなされています。
もし自己判断でフィルムを剥がしたまま使用を続けると、以下のような深刻なリスクが考えられます。
フィルムを剥がしたままにするリスク
- ディスプレイの物理的損傷:UTG(超薄型ガラス)は非常に薄くデリケートなため、爪やペン先など少しの圧力で傷や凹みが生じやすくなります。
- 操作性の低下:フィルムがないと指の滑りが悪くなり、快適なタッチ操作が損なわれます。
- メーカー保証の対象外:ユーザーの故意によるフィルムの剥離は「改造」と見なされ、その後の故障時にメーカー保証の対象外と判断される可能性があります。
もちろん、剥がれたフィルムを貼り替えずに使用を続けることも理論上は不可能ではありませんが、ディスプレイを守る鎧を一枚失った状態になるため、耐久性の著しい低下は避けられません。
快適かつ安全に長期間使用するためにも、保護フィルムは必要不可欠であり、剥がれてきた場合は速やかに新しいものに貼り替えるのが基本となります。
フィルム交換にかかる費用について

ユーザーにとって最も気になる点の一つが、フィルム交換に一体いくらかかるのか、という点でしょう。
これほど重要な部品であれば高額な費用を想像してしまいますが、驚くべきことに、指定された正規のサービス拠点で交換する場合、Galaxy Z Fold5の純正フィルム貼り替えは原則として無料です。
公式サービスの費用は無料
後述する「Galaxy Harajuku」「Galaxy Studio Osaka」や、一部のドコモショップ内に設置された「Galaxyリペアコーナー」では、費用は一切かからず、無償で純正フィルムへの貼り替えサービスを受けることができます。
これは、フィルムの定期的なメンテナンスが製品の品質を維持する上で不可欠であるという、メーカー側の明確な方針の表れとも言えます。
ただし、これはあくまで公式サービスを利用した場合の話です。
自分で市販のフィルムを購入して貼り替える(DIY)場合は、当然ながらフィルムの購入費用(2,000円〜4,000円程度)が自己負担となります。
さらに、DIYに失敗して複数回フィルムを買い直すことになれば、出費はさらにかさみます。
「無料」の条件に注意
フィルム交換が無料となるのは、基本的に端末本体に外傷などの異常がない場合に限られます。
例えば、落下によってフレームに歪みや凹みがある場合、フィルムを正常に貼り付けられない可能性があるため、サービスの提供を断られたり、先にフレームの有償修理を提案されたりするケースも考えられます。
あくまで「正常な使用範囲内でのフィルム劣化」が無料交換の対象と心得ておきましょう。
フィルム交換の所要時間の目安

フィルム交換を依頼する際、どのくらいの時間スマートフォンを手放さなければならないのか、事前に知っておきたいポイントです。
店舗の混雑状況にもよりますが、おおよその目安は以下の通りです。
一般的に、店舗に到着し、受付を済ませてから作業完了品を受け取るまでの全体の所要時間は30分から1時間程度を見ておくと良いでしょう。
ランチや買い物のついでに立ち寄れる、非常にスピーディーなサービスです。
実際の貼り付け作業時間自体は、専門スタッフが専用の治具(圧着機のような機械)を使用するため、わずか15分から20分ほどで完了します。
残りの時間は、受付での手続き、作業前の端末チェック(カメラ、スピーカー、指紋認証などの動作確認)、そして作業後の仕上がり確認などに充てられます。
実際に店舗を訪れたユーザーからは、「平日の昼間で空いていたため、待ち時間を含めて45分で完了した」「混んでいなければ30分くらいで終わる」といった声が聞かれます。
時間に余裕を持って来店するのがおすすめですが、スマートフォンを長時間預ける必要がないのは嬉しいポイントですね。
来店前の準備
フィルム交換だけであればデータが消えることはありませんが、万が一のトラブルに備えて、来店前に重要なデータのバックアップを取っておくとより安心です。
また、作業中はスマホケースやストラップなどのアクセサリー類は全て外す必要があるため、スムーズに手続きできるよう準備しておきましょう。
前述の通り、ドコモショップのリペアコーナーは事前予約が必須であり、予約時間通りに来店する必要があります。
予約なしで訪問しても対応してもらえないため、この点は特に注意してください。
Galaxy Z Fold5のフィルム剥がれを交換する手順と依頼先
- Galaxyリペアコーナーでの交換
- ドコモでのフィルム交換サービス
- auでのフィルム交換サービス
- DIYでのフィルム交換は高難易度
- フィルム交換は予約が必要か
- Galaxy Z Fold5のフィルム剥がれを交換するまとめ
Galaxyリペアコーナーでの交換

Galaxy Z Fold5のフィルム交換における、最も確実で推奨される選択肢が、「Galaxyリペアコーナー」の利用です。
これは、サムスンの専門教育を受けたスタッフが常駐し、メーカー純正のパーツと専用の精密機材を用いて、高品質なメンテナンスを行ってくれる公式サービス拠点です。
リペアコーナーは、主に以下の2種類の場所に設置されています。
Galaxyリペアコーナーの設置場所
- Galaxyブランドストア(キャリア問わず対応)
- Galaxy Harajuku(東京・原宿):修理受付も可能な旗艦店。
- Galaxy Studio Osaka(大阪・なんば):フィルム交換専門のサービス拠点。
- 一部のドコモショップ(ドコモ購入品のみ対応)
- 全国の主要都市にある指定のドコモショップ内に併設。
Galaxyブランドストアの2店舗では、購入キャリア(ドコモ、au、SIMフリーなど)を問わず、日本国内で正規に販売されたモデルであれば無料でフィルム交換サービスを受けられます。
一方、ドコモショップ内のリペアコーナーはドコモ購入品のみが対象という制限があります。
交換手順の具体的な流れ
店舗によって細かな違いはありますが、体験談を基にした具体的な流れは以下の通りです。
- 来店と受付: 店舗へ行き、スタッフにフィルム交換を依頼します。混雑時は番号札を受け取り待機します。
- 同意書へのサイン: 「作業中に万が一他の不具合が発生しても責任は負えない」といった内容の同意書に署名します。これは無料サービスゆえの免責事項です。
- 端末の動作確認: スタッフの案内に従い、カメラ、指紋認証、画面表示など、端末に既存の不具合がないかを一緒にチェックします。
- 古いフィルムの剥離: 「お客様自身で剥がしていただく決まりです」と案内され、指示に従い、自分で古いフィルムをゆっくり剥がします。
- 貼り替え作業: スタッフが端末を預かり、バックヤードで専用の圧着機を使い、ホコリ一つなく新しいフィルムを貼り付けます。(作業時間は約15〜20分)
- 受け取りと最終確認: 新品同様に綺麗になった端末を受け取り、仕上がりや動作に問題がないかを確認して、全ての手順は完了です。
専門スタッフが専用の機械で作業を行うため、気泡一つない完璧な仕上がりが期待できます。
このクオリティのサービスが無料で受けられるのですから、対象地域にお住まいの方は積極的に利用すべきでしょう。
ドコモでのフィルム交換サービス

ドコモでGalaxy Z Fold5を購入したユーザーにとって、最も身近で便利な選択肢となるのが、ドコモショップに併設された「Galaxyリペアコーナー」でのフィルム交換です。
しかし、このサービスには非常に重要な利用条件と注意点が存在します。
【最重要】ドコモで購入した端末のみが対象
ドコモショップの「Galaxyリペアコーナー」でフィルム交換サービスを受けられるのは、ドコモの店舗、またはドコモオンラインショップで購入したGalaxy Z Fold5のみです。
たとえ同じ機種であっても、auやソフトバンク、SIMフリーモデルを持ち込んでも、サービスを受けることはできません。
実際に、事情を知らずに他キャリアの端末を持ち込んで、受付で断られてしまったという報告が多数寄せられています。
また、全てのドコモショップで対応しているわけではありません。
このサービスを提供しているのは、全国の主要都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡など)に設置されたごく一部の指定店舗のみです。
お近くの店舗が対象かどうかは、訪問前に必ずドコモやサムスンの公式サイトで確認する必要があります。
ドコモショップを利用する最大のメリットは、やはりその店舗網です。
東京や大阪のブランドストアまで行けない地方在住者でも、お住まいの地域の基幹店で公式のメンテナンスが受けられる可能性があるのは大きな利点です。
ご自身の端末がドコモ版であれば、まず最寄りの対象店舗を探してみるのが良いでしょう。
利用する際は、ドコモの公式サイトからの来店予約が必須となります。
予約なしで訪問しても対応してもらえないため、忘れずに手続きを行いましょう。
auでのフィルム交換サービス

auでGalaxy Z Fold5を購入したユーザーは、フィルム交換の際にサポート体制の違いを十分に理解しておく必要があります。
結論から言うと、全国のauショップやau Styleでは、フィルムの貼り替えサービスを一切行っていません。
auショップの窓口でフィルム剥がれについて相談しても、対応は「お客様ご自身でメーカーの窓口へお問い合わせください」という案内になり、基本的には東京の「Galaxy Harajuku」か大阪の「Galaxy Studio Osaka」へ行くように促されます。
つまり、auユーザーが無料でフィルム交換を行うには、これら2つのブランドストアに直接端末を持ち込むしか公式な方法がありません。
地方にお住まいのauユーザーにとっては、これが非常に大きな課題となります。
フィルム交換のためだけに、高額な交通費と長い時間をかけて東京か大阪まで行かなければならず、全国の指定店舗で対応可能なドコモユーザーに比べて、アフターサービスの面で著しく不便を感じる可能性があります。
このサポート体制の違いは、購入するキャリアを選択する上での重要な判断材料の一つと言えるでしょう。
もし東京や大阪への訪問が物理的に難しい場合、残された選択肢は「剥がれたままのリスクを覚悟で使い続ける(非推奨)」か、「ディスプレイ破損のリスクを承知でDIYに挑戦する」かのいずれかになってしまいます。
auで購入を検討している、あるいは既にお使いの方は、この点を十分に理解しておく必要があります。
DIYでのフィルム交換は高難易度

公式の交換サービス拠点がお住まいの地域にない場合、「自分でフィルムを買って貼り替えよう」と考える方もいるかもしれません。
実際に、AmazonなどのECサイトではGalaxy Z Fold5専用を謳うサードパーティ製の保護フィルムが数多く販売されています。
しかし、DIYでのフィルム貼り替えは、一般的なスマホのそれとは比較にならないほど難易度が高く、基本的には全く推奨されません。
折りたたみ画面へのフィルム貼付が難しい理由は、主に以下の3点です。
DIYが困難な理由
- ホコリの混入が避けられない:折りたたみ画面用のフィルムは非常に柔らかく、剥離紙から剥がす際に強い静電気を帯びます。これにより、空気中の微細なホコリを磁石のように吸着してしまいます。入浴後のお風呂場など、湿度が高くホコリが少ない環境で、全裸に近い状態で作業しても、ホコリの混入を完全に防ぐのは至難の業です。
- 貼り直しが絶対に効かない:フィルムが非常に薄く柔らかいため、一度貼り付けると、ホコリが入ったからといってセロハンテープで浮かせて取り除く、といった一般的な手法が使えません。無理に剥がそうとすると、フィルムが伸びて変形したり、最悪の場合はデリケートなディスプレイ本体を傷つけたりする恐れがあります。
- 中央の折り目部分の圧着不足:最も重要な折り目部分を、気泡なく均一な力で圧着させるには、専用の治具(機械)が不可欠です。手作業や付属のヘラだけでは圧着が不十分になりやすく、すぐにまた浮き上がってくる原因となります。
実際に挑戦したユーザーからは、「万全の対策をして挑んだが、結局ホコリが入って失敗した」「2回、3回とフィルムを買い直す羽目になり、時間も費用も無駄になった」という声が絶えません。
結果的に、公式サービスが無料で提供されていることを考えると、ディスプレイ破損のリスクを冒してまでDIYに挑戦するメリットは皆無と言って良いでしょう。
フィルム交換は予約が必要か

フィルム交換を依頼する際の予約の要否は、訪れる店舗によって運用が異なります。
無駄足にならないよう、事前に各店舗のポリシーをしっかりと確認しておきましょう。
各サービス拠点の予約ポリシーを、以下の表にまとめました。
店舗 | 予約の要否 | 補足と注意点 |
---|---|---|
Galaxy Harajuku (東京) | 推奨 | 公式サイトから事前予約が強く推奨されています。予約なしでも空きがあれば対応可能な場合がありますが、特に週末は予約者で埋まっており、長時間待つか受付不可となる可能性が高いです。 |
Galaxy Studio Osaka (大阪) | 不要 | 予約システム自体がなく、来店順での対応となります。混雑時は番号札を渡され、順番を待つ形式です。ただし、訪問前に電話でフィルムの在庫状況を確認しておくのが確実です。 |
ドコモショップ (Galaxyリペアコーナー) | 必須 | ドコモの公式サイトにある「来店予約」システムからの事前予約が必ず必要です。予約なしで直接訪問しても、セキュリティや手続きの都合上、一切受付できません。 |
このように、ドコモショップを利用する場合は予約が必須である一方、Galaxyのブランドストアは比較的柔軟な対応となっています。
ご自身の利用したい店舗のルールに合わせて、適切な準備を進めてください。
特に週末や祝日にGalaxy Harajukuへ行く際は、数日前から予約枠が埋まっていることも多いため、早めに予約を確保することが重要です。
逆にGalaxy Studio Osakaは予約不要で気軽に立ち寄れるのが魅力ですが、平日の午前中など、比較的空いている時間を狙って訪問するのが賢明かもしれません。