Nothing Phoneを使っていて、マイナポータルアプリでマイナンバーカードが読み取れないと悩んでいませんか。
透明な背面デザインが魅力的なこのスマホですが、いざ行政手続きをしようとすると、カードが反応しないエラーが出たり、機種ごとのNFCアンテナの位置がわからなくて困ってしまうことがありますよね。
特にNothing Phone 2aなどの新しい機種では、読み取り位置が独特なため、正しい方法を知らないとなかなかうまくいきません。
おサイフケータイは使えるのに、なぜかマイナンバーカードだけできないという現象に戸惑っている方も多いはずです。
この記事では、そんなマイナポータルに関するトラブルを解決するための具体的な方法をシェアします。
Nothing Phoneのマイナポータル対応とNFC位置
Nothing Phoneシリーズは、その洗練されたデザインと引き換えに、モデルによってNFCアンテナの搭載位置が驚くほど異なっています。
「だいたいこの辺かな?」と適当にかざしても全く反応しないのは、そのデザインの独自性が大きく関係しているんです。
私自身、機種変更をするたびに「あれ?読み取れない?」と焦った経験があります。
ここでは、各モデルごとの「スイートスポット(最適読み取り位置)」をピンポイントで、かつなぜそこなのかという理由も含めて詳しく解説していきますね。
ここさえ押さえれば、イライラから解放されるはずです。
- Nothing Phone 2aのNFC位置はカメラ周辺
- Nothing Phone 1の読み取り位置は中央付近
- Nothing Phone 2のNFCは上部カメラ右横
- CMF Phone 2 Proはスマホ用電子証明書に対応
- Nothing Phoneのおサイフケータイとの違い
Nothing Phone 2aのNFC位置はカメラ周辺

現在、最も多くのユーザーが混乱しているのが、このNothing Phone (2a)ではないでしょうか。
結論から言いますと、(2a)のNFCアンテナは、背面上部の中央にあるカメラユニットそのものを取り囲むように配置されています。
これはスマホのデザインとして非常に珍しい配置なんです。
一般的なAndroidスマートフォンやiPhoneの場合、カメラのレンズ部分は厚みがあって邪魔になるため、NFCアンテナはカメラを避けた「端末の上端」や「FeliCaマークのある平らな場所」に配置されるのがセオリーです。
そのため、多くのユーザーは無意識に「カメラの出っ張りを避けて」カードをかざそうとします。
しかし、Phone (2a)の場合はその直感が逆効果になってしまいます。
あの特徴的な「目(Fresh Eyes)」のようなカメラ部分の周囲にコイルが巻かれているため、カメラを避けるとアンテナからも遠ざかってしまうのです。
「カメラのレンズを傷つけたくない」という心理も働くため、どうしても遠慮がちに当ててしまいがちですが、ここでは勇気が必要です。
読み取りの極意
カメラでカードの文字を読むのではありません。
「カメラユニット全体を、マイナンバーカードのICチップ(金色の部分の裏側)にキスさせる」ように、大胆に密着させてください。
カードの中央ではなく、ICチップの位置にカメラの「目」を重ねるのが最大のポイントです。
実際にコミュニティでも、「カメラの突起をカードに押し付けるようにしたら、今までのが嘘のように一瞬で読み取れた」という報告が相次いでいます。
デザインの一部として機能まで統合してしまったNothingらしい設計ですが、知らないと永遠にエラーと戦うことになってしまいますね。
Nothing Phone 1の読み取り位置は中央付近

記念すべき初代モデルであるNothing Phone (1)をお使いの方も多いと思います。
この機種は、シリーズの中で唯一、背面のほぼ中央にNFCアンテナが配置されています。
具体的には、背面ガラス越しに見えるワイヤレス充電用の大きなコイルの周囲、あるいはその同心円上にNFC用のコイルが存在します。
ここで問題になるのが、「他のスマホからの乗り換え組」の常識です。
特にiPhoneから移行してきた場合、iPhoneは先端(上部)にアンテナがあるため、駅の改札やコンビニのレジでも端末の先をかざす癖がついています。
その感覚でPhone (1)の上部をマイナンバーカードにかざしても、アンテナの位置が10センチ近くズレているため、全く反応しません。
「故障かな?」と疑う前に、持ち方を変えてみましょう。
マイナンバーカードを机に置き、その上にPhone (1)を「覆いかぶせる」ように載せます。
この時、端末の背面のちょうどど真ん中、Nothingの「G」ロゴがあるあたりが、カードのICチップの上に来るように調整してください。
視覚的な目安
Glyphインターフェース(背面の光るLED)の中央にある円形のリング(Cの字型の部分)を意識してください。
このリングの中にカードのICチップを収めるようなイメージで位置合わせをすると、スイートスポットに当たりやすくなります。
また、Phone (1)は発売初期、マイナポータルアプリの対応機種リストに掲載されるまで時間がかかった経緯があります。
そのため「非対応なのでは?」という古い情報もネットに残っていますが、位置さえ合えばハードウェア的には問題なく読み取れますので安心してください。
Nothing Phone 2のNFCは上部カメラ右横

フラッグシップモデルであるNothing Phone (2)になると、内部構造の刷新に伴ってアンテナ位置がまた大きく変わっています。
Phone (2)の読み取り位置は、中央ではなく背面カメラの右横、または上部の右側エリアへと移動しています。
Phone (1)を使っていて(2)に買い替えたユーザーが一番ハマる罠がこれです。
「(1)と同じで中央だろう」と思ってかざしても反応せず、「(2a)のようにカメラだろう」と思ってもうまくいきません。正解は「カメラユニットのすぐ隣にある平らなスペース」なのです。
分解動画などを確認すると、Phone (2)は背面のLEDパーツがより細分化され、ワイヤレス充電コイルの配置も最適化されています。
その隙間を縫うように、NFCアンテナは上部右側に追いやられている(配置されている)ようです。
感覚としては、Pixelシリーズの一部モデルに近いかもしれません。
| 機種名 | NFC読み取り位置の目安 | よくある間違い |
|---|---|---|
| Phone (1) | 背面中央(ど真ん中) | iPhoneのように先端を当ててしまう |
| Phone (2) | カメラの右横(上部) | (1)の癖で中央を当ててしまう |
| Phone (2a) | カメラユニット自体 | カメラの出っ張りを避けてしまう |
このように、同じブランドでも機種によってこれだけ位置が違うのは珍しいケースです。
Phone (2)の場合は、カードを縦向きに置いて、スマホの上半分を重ねるようにし、少しずつ右側にずらしながら反応するポイントを探ると良いでしょう。
一度場所を覚えてしまえば、反応速度自体は非常に高速です。
CMF Phone 2 Proはスマホ用電子証明書に対応

ここで、NothingのサブブランドであるCMF by Nothingの「CMF Phone 2 Pro」についても触れておきましょう。
この機種は低価格ながら非常に高性能で、実はマイナンバーカード活用という点においては、兄貴分のPhone (2)をも凌駕する最新機能を持っています。
それは、デジタル庁が推進する「スマホ用電子証明書搭載サービス」への公式対応です。
これは、マイナンバーカードの「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の機能を、スマートフォンのセキュアエレメント(安全なチップ)内にコピーして内蔵できる機能です。
これに対応していると何が凄いのかというと、一度設定さえ完了してしまえば、物理的なマイナンバーカードを持ち歩く必要も、毎回かざして読み取る必要もなくなるのです。
e-Taxでの確定申告も、コンビニでの住民票発行も、スマホひとつで完結します。読み取り位置で悩むこと自体が過去のものになるわけです。
Nothing Phone (3)への期待
2025年に登場が期待されるNothing Phone (3)についても、この機能に対応することが確実視されています。
Phone (1)や(2)などの旧モデルは、現時点では「物理カードを毎回かざす」必要がありますが、今後ハードウェア要件を満たす新機種に乗り換えることで、利便性は劇的に向上するでしょう。
CMF Phone 2 Proは背面カバーがネジで取り外せるモジュラーデザインを採用していますが、NFCアンテナは本体側にしっかりと実装されており、カバー越しでも問題なく通信できるよう設計されています。
安価なモデルから日本の行政DXにフル対応させてきた点には、Nothing社の日本市場への本気度が伺えますね。
Nothing Phoneのおサイフケータイとの違い

読者の皆さんが抱く最大の疑問はこれではないでしょうか。
「コンビニのレジや駅の改札では、ケースに入れたままでもサッとかざすだけで反応するのに、どうしてマイナンバーカードだけこんなにシビアなの?」と。
中には「私のNothing Phone、マイナンバー読み取り機能だけ壊れてる?」と不安になる方もいます。
結論から言うと、これは故障ではなく、採用されている通信規格の違いによるものです。
少し専門的な話になりますが、知っておくと納得できるはずです。
まず、SuicaやiD、QUICPayなどで使われているのは、ソニーが開発した「FeliCa(NFC Type F)」という規格です。
これは日本で独自に進化・普及したもので、非常に高速(0.1秒で処理)かつ、通信出力が強いため、多少位置がズレていても、数センチ離れていても電波が届きます。
だから「かざす」というラフな動作で使えるんですね。
一方、マイナンバーカードやパスポートの読み取りに使われているのは、「NFC Type B(ISO/IEC 14443 Type B)」という国際標準規格です。
こちらはセキュリティ強度が非常に高い反面、通信に必要な電力の要求がシビアで、通信可能距離が極端に短いという特性があります。
数ミリでも離れたり、アンテナの中心軸がズレたりすると、十分な電力がカードに供給されず、すぐに通信エラー(切断)になってしまうのです。
Nothing Phoneの日本版モデルは、この両方の規格に対応していますが、ハードウェア(アンテナ)は一つです。
FeliCaの広い許容範囲に慣れてしまった感覚で、シビアなType Bの読み取りを行おうとすると、どうしても「反応しない」と感じてしまうわけです。
マイナンバーカードの読み取りは、「タッチ」ではなく「プレス(密着)」だと思って操作するのが正解ですね。
Nothing Phoneでマイナポータルができない対処法
「位置は完璧に合わせているはずだ。それでもエラーが出る!」という方へ。
読み取りエラーの原因は、位置だけではありません。
実は、私たちの身の回りにはNFCの微弱な電波を妨害する要因がたくさん潜んでいます。
ここでは、私自身も何度も躓いて発見した、実践的なトラブルシューティングを詳しく解説します。
- マイナンバーカードが反応しない時はケースを外す
- 読み取りエラーが出る原因は5秒待たずに動かすこと
- Nothing Phoneの設定でNFCをオンにする
- 金属製デスクの上では読み取り不能になる可能性がある
- Nothing Phoneでのマイナポータル利用まとめ
マイナンバーカードが反応しない時はケースを外す

これが最も頻繁に発生し、かつ最も見落としやすい原因です。
Nothing Phoneユーザーなら、Glyphインターフェースを見せるために透明なケースを使っている方が多いですよね。
TPU(熱可塑性ポリウレタン)やポリカーボネート製のクリアケースです。
「透明だし、プラスチックだから電波を通すはず」と思いますよね。確かにFeliCa(おサイフケータイ)のような強い電波なら通します。
しかし、前述した通りマイナンバーカード(Type B)の電波は非常に繊細です。
ケースの厚みが1mm、2mmあるだけで、カードに届く電力は距離の二乗に比例して弱まってしまいます。
たった数ミリの隙間が、致命的な通信遮断の原因になるのです。
特に注意すべきアクセサリー
スマホリングや、MagSafe対応の磁石入りリング、カード収納ポケット付きのケースなどは、厚みだけでなく磁気干渉も引き起こすため、装着したままでの読み取りはほぼ不可能です。
もし何度やってもエラーが出る、あるいは読み取り開始まではいくけれど途中で止まるという場合は、面倒でも一度ケースを完全に外して、「裸」の状態で試してみてください。
「えっ、これだけで?」と驚くほどあっさりと成功するケースが後を絶ちません。
行政手続きは頻繁に行うものではないので、その時だけはケースを外すのが一番の近道です。
読み取りエラーが出る原因は5秒待たずに動かすこと

次に多いのが、「待てない」ことによるタイムアウトエラーです。
これも普段のおサイフケータイの快適さがアダになっています。
コンビニでの支払いは「ピッ」と一瞬ですが、マイナンバーカードの読み取りは「大量の暗号化データ」をやり取りするため、時間がかかります。
具体的なプロセスとしては、まずスマホがカードを「検知」してブルッと振動します。
多くの人はこの瞬間に「お、終わった!」と思って端末をカードから離してしまいます。
しかし、これは「カードがあることは分かった。これから中身を読むね」という合図に過ぎません。
そこからパスワードの照合、電子証明書の読み出しといった重い処理が始まります。
アプリの画面上にプログレスバー(進行状況)が出ないことも多いため、不安になって動かしてしまいがちですが、ここが我慢のしどころです。
5秒ルールの徹底
振動があっても、Glyphが光っても、絶対に動かさないでください。
画面が切り替わり、明確に「読み取りが完了しました」と表示されるまで、体感で5秒から10秒程度はそのまま固定し続ける必要があります。
特にNothing Phoneは背面が滑りやすいガラス素材のモデルが多いため、机に置いていても微細な振動で位置がズレてしまうことがあります。
手でしっかりと押さえつけて、完了の表示が出るまで微動だにしないことが成功の鍵です。
Nothing Phoneの設定でNFCをオンにする

「そもそもハードウェアのスイッチが入っていない」という灯台下暗しのパターンもあります。
基本的にはデフォルトでONになっていますが、OSのアップデート時や、バッテリー残量が少なくなって「バッテリーセーバー」が発動した際に、自動的にNFC機能が制限されたりOFFになったりすることがあります。
念のため、以下の手順で設定を確認しておきましょう。
Nothing OSのバージョンによって多少表記が異なる場合がありますが、基本は同じです。
- ホーム画面から「設定」アプリを開く
- 「接続されたデバイス」を選択
- 「接続設定」をタップ
- 「NFC」の項目を探し、スイッチがON(右側)になっているか確認
- 同じ画面内にある「NFC / おサイフケータイ ロック」という設定がもしあれば、それがOFF(ロックされていない状態)であることも確認
また、コントロールセンター(画面上部からスワイプして出るパネル)にNFCのタイルを配置している場合、ポケットの中で誤作動してOFFにしてしまっている可能性もあります。
ここも合わせてチェックしておくと安心です。
機内モードがONになっている場合も、一部の通信機能が制限されることがあるので、解除してから試してください。
金属製デスクの上では読み取り不能になる可能性がある

最後に、意外と知られていない「環境」の要因です。
あなたが今、読み取り操作を行っているテーブルの素材は何でしょうか?
もし、オフィスのスチールデスクや、ステンレス製のキッチンテーブルの上でやっているなら、それがエラーの原因である可能性が高いです。
NFCは「磁界」を利用して通信を行いますが、すぐ近くに金属の板があると、アンテナから出た磁界が金属板の方に吸収されてしまい(渦電流が発生し)、カードの方に十分なエネルギーが届かなくなります。
これを「金属干渉」と呼びます。
「スマホとカードは密着させているから関係ない」と思いがちですが、カードの下にある机の金属も強力に干渉します。
解決策
最も確実なのは、「空中で手に持って行う」ことです。
これなら周囲の金属の影響を受けません。もし置いてやりたい場合は、分厚い雑誌や本を机の上に敷き、その上で操作することで、金属面からの距離を稼ぐことができます。
私の経験では、iPadのカバー(マグネットが入っているもの)の上でやろうとして失敗したこともあります。
磁石や金属の近くは避けて、木製のテーブルや何もない空間で行うのがベストです。
Nothing Phoneでのマイナポータル利用まとめ
Nothing Phoneは、その独自性と美しさゆえに、一般的なスマホとは少し違った付き合い方が求められる愛すべきガジェットです。
マイナポータル利用に関しても、最初は「なんでできないの!」とイライラするかもしれませんが、今回の記事で解説した「機種ごとの位置」と「コツ」さえ掴んでしまえば、決して難しいことではありません。
最後に重要なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 自分の機種の位置を知る:(2a)はカメラそのもの、(1)は中央、(2)は右上。ここを間違えると絶対に反応しません。
- 裸にするのが一番早い:反応が悪いときは、ケースを外して直に密着させるのが最強の解決策です。
- 5秒の忍耐:振動しても離さず、完了画面が出るまで石のように固まって待ちましょう。
- 環境を整える:金属製の机やマグネット製品の近くを避けましょう。
- 未来への期待:CMF Phone 2 ProやPhone (3)なら、スマホ用電子証明書対応でさらに便利になります。
これらの対策を行ってもどうしても読み取れない場合は、カード自体のICチップ不良や、電子証明書の有効期限切れ(発行から5回目の誕生日まで)の可能性もあります。
その際は、自治体の窓口や、以下の公的なサポート情報を参照してみてください。(出典:デジタル庁 マイナポータル「スマートフォンでのICチップ等の読み取りについて」)
この記事が、あなたのNothing Phoneライフを少しでも快適にする手助けになれば嬉しいです。

