Googleから登場した最新スマートフォン「Google Pixel 9」。
その洗練されたデザインやAI機能に注目が集まる一方、購入を検討している多くのゲーマーが最も知りたいのは、やはりpixel9のゲーム性能ではないでしょうか。
最新のプロセッサーを搭載しているものの、実際のベンチマークスコアはどの程度なのか、また、滑らかな映像表現に欠かせないリフレッシュレートがゲームに与える影響は大きいものです。
そもそもGoogle Pixel 9で快適にゲームはできるのか、特に人気の原神、モンスト、ポケモンGOといったアプリの動作をチェックし、Pixel9は3Dゲームに適しているのかを判断したい方も多いはずです。
さらに、高性能なスマートフォンにありがちなゲーム時の発熱や、長時間のプレイを左右するバッテリー持ちは、購入前の大きな懸念点となります。
この記事では、詳細なゲーム・アプリ動作をチェックした結果や、ゲーム性能と他機種比較を通じて、Google Pixel 9がゲーミング用途として「買い」なのかを徹底的に解説していきます。
Pixel9のゲーム性能をスペックから徹底解説
- そもそもGoogle Pixelでゲームはできるのか
- 性能を左右するTensor G4プロセッサー
- Antutuでのベンチマークスコアはどのくらい?
- リフレッシュレートがゲームに与える影響
- 高グラフィックなPixel9は3Dゲームに適している?
そもそもGoogle Pixelでゲームはできるのか

Google Pixelシリーズでゲームができるのか、という問いに対する答えは「遊ぶゲームの種類による」というのが実情です。
もちろん、多くのスマートフォン向けゲームをプレイすることは可能です。
特にパズルゲームや、2Dグラフィックが中心の比較的負荷が軽いゲームであれば、ストレスを感じることなく快適に楽しむことができます。
ただ、Pixelシリーズはもともと、ゲームに特化した「ゲーミングスマホ」として開発されているわけではありません。
Googleが最も力を入れているのは、独自開発プロセッサーによるAI機能や、カメラの高度な画像処理です。
このため、グラフィック性能を極限まで要求する一部の3Dゲームや、長時間のプレイで高いパフォーマンスを維持し続けることについては、他のハイエンドスマートフォンに一歩譲る面があることは否めません。
したがって、あなたがどのようなゲームを、どの程度の快適さでプレイしたいのかによって、Pixel 9の評価は大きく変わってきます。
カジュアルにゲームを楽しみたいユーザーであれば十分満足できる可能性が高いですが、最高設定で常に滑らかな動作を求めるヘビーユーザーにとっては、少し物足りなさを感じる場面があるかもしれない、というのが基本的な立ち位置になります。
性能を左右するTensor G4プロセッサー

Google Pixel 9の頭脳として搭載されているのが、自社開発チップの第4世代にあたる「Google Tensor G4」です。
このプロセッサーの特性を理解することが、Pixel 9のゲーム性能を見極める上で鍵となります。
Tensor G4は、一般的なスマートフォン用プロセッサーとは少し異なる設計思想で作られています。
他社製のチップがCPUやGPUの純粋な処理能力向上を最優先する傾向にあるのに対し、Tensorチップは機械学習、つまりAIの処理能力を大幅に強化している点が最大の特徴です。
これにより、「消しゴムマジック」に代表される高度な画像編集や、リアルタイム翻訳、文字起こしといった機能が、他のスマートフォンでは真似できないレベルでスムーズに動作します。
一方で、ゲーム性能に直結するGPU(グラフィックス処理装置)の能力は、同価格帯のライバル機種に搭載されている最新のSnapdragonシリーズなどと比較すると、控えめな性能に留まるという評価が一般的です。
これは、Pixel 9が日常の利便性やAI体験を重視しており、必ずしも最高のゲーム環境を提供することを第一目標としていないためと考えられます。
以上のことから、Tensor G4はAI機能を活用する場面では絶大なパワーを発揮しますが、持続的に高いグラフィック負荷がかかる3Dゲームにおいては、その能力の限界が見えやすいという側面を持っているのです。
Antutuでのベンチマークスコアはどのくらい?

スマートフォンの総合的な性能を数値化する「AnTuTuベンチマーク」のスコアは、デバイスの性能を客観的に比較する上で一つの指標となります。
Google Pixel 9のスコアは、その特性を非常によく表す結果を示しています。
複数の実機レビューによれば、Pixel 9はAnTuTuベンチマークテストの1回目において、約120万点~126万点という高いスコアを記録することがあります。
この数値自体は、多くの操作を快適にこなせるハイスペックな端末であることを示しています。
しかし、注目すべきは連続してテストを行った際のスコアの変動です。
Pixel 9は2回目、3回目とテストを重ねると、スコアが80万点台まで大きく低下する傾向が報告されています。
これは「サーマルスロットリング」と呼ばれる現象で、プロセッサーが高負荷によって発熱した際に、故障を防ぐために意図的に性能を抑制することで発生します。
特にCPUスコアの低下が著しいようです。
この結果から、Pixel 9は短時間であれば高いパフォーマンスを発揮できるものの、長時間のゲームプレイのように継続して高い負荷がかかる場面では、発熱によって性能が制限されやすいという弱点があることがわかります。
機種 | SoC(プロセッサー) | AnTuTuベンチマークスコア(参考) |
Google Pixel 9 | Google Tensor G4 | 約120万点(初回)→ 約80万点台(連続時) |
Galaxy S24 Ultra | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy | 約190万点以上(安定) |
REDMAGIC 9S Pro | Snapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSION | 約210万点以上(安定) |
このように、ゲーミングスマホや他のハイエンド機種が強力な冷却機構によって安定して高いスコアを維持するのと比較すると、Pixel 9の立ち位置がより明確になります。
リフレッシュレートがゲームに与える影響

Google Pixel 9は、最大120Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイを搭載しています。
リフレッシュレートとは、1秒間に画面が何回更新されるかを示す数値で、ゲーム体験の質に大きく関わる要素です。
一般的なスマートフォンが60Hzであるのに対し、120Hzのディスプレイは2倍の回数画面を書き換えるため、映像が非常になめらかに表示されます。
この差は、画面をスクロールする際の残像感の少なさや、キャラクターの動きの滑らかさとして体感できます。
特に、キャラクターの動きが速いアクションゲームや、精密な操作が求められるFPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームにおいて、その恩恵は絶大です。
敵の動きがよりクリアに見えたり、照準を合わせやすくなったりと、プレイの有利不利に直結することさえあります。
ただし、高いリフレッシュレートを維持するには、プロセッサーが常に高いパフォーマンスで映像を描画し続ける必要があります。
そのため、バッテリー消費が増加するというデメリットも存在します。
Pixel 9には、表示しているコンテンツに応じてリフレッシュレートを自動で調整する機能が備わっており、バッテリー消費を抑える工夫がなされています。
いくらディスプレイが120Hzに対応していても、ゲーム自体がそれに応じたフレームレート(fps)で動作しなければ、その性能を最大限に活かすことはできません。
Pixel 9のプロセッサー性能を考えると、すべてのゲームで常に120fpsを維持するのは難しい場面もあると考えられますが、対応しているゲームでは格段に快適な視覚体験が得られることは間違いありません。
高グラフィックなPixel9は3Dゲームに適している?

高グラフィックな3DゲームにPixel 9が適しているかという問いには、一定の条件付きで「プレイ可能」と答えるのが適切です。
前述の通り、Pixel 9は最大120Hzの滑らかなディスプレイを搭載しており、映像美を楽しむための土台は整っています。
Tensor G4プロセッサーも、多くの3Dゲームを動かすだけの基本的なパワーは備えています。
実際に、『Call of Duty Mobile』や『PUBG Mobile』といった人気の3Dゲームは、設定次第で十分に楽しむことが可能です。
しかし、問題となるのは「最高画質設定」で「長時間安定して」プレイできるか、という点です。
特に『原神』のような、現行スマートフォンの中でもトップクラスの負荷を要求するゲームでは、Pixel 9の限界が見えてきます。
最高設定でプレイを開始しても、しばらくすると本体の発熱が始まり、パフォーマンスが低下してフレームレートが不安定になる傾向があります。
これは、Pixel 9が汎用的なスマートフォンであり、強力な冷却システムを備えたゲーミングスマホとは設計が異なるためです。
熱を効率的に排出し続けることが難しいため、プロセッサーが本来の力を発揮し続けられないのです。
これらの理由から、Pixel 9で3Dゲームを快適に楽しむためには、グラフィック設定を「最高」から「高」や「中」に少し落とす、長時間の連続プレイを避けて休憩を挟む、といった工夫が求められます。
画質に極端なこだわりがなく、ある程度の調整を許容できるユーザーであれば、多くの3Dゲームを楽しむことができるでしょう。
Pixel9のゲーム性能を実態からレビュー
- 人気ゲーム・アプリ動作をチェックしてみた
- モンスト、ポケモンGO、原神の動作チェック
- 懸念されるゲーム時の発熱と対策
- 気になるバッテリー持ちは長時間遊べるか
- ゲーム性能と他機種比較で立ち位置を知る
- まとめ:Pixel9のゲーム性能はユーザーを選ぶ
人気ゲーム・アプリ動作をチェックしてみた

Google Pixel 9が実際のゲームでどの程度のパフォーマンスを発揮するのか、具体的なアプリの動作を通じて見ていきましょう。
スマートフォンの性能は、ベンチマークスコアだけでは測れない実際の使用感が大切になります。
多くのレビューで共通しているのは、ゲームの負荷によって評価が大きく二分されるという点です。
例えば、日常的に多くの人が楽しんでいるニュースアプリの閲覧、SNSのチェック、動画視聴といった一般的な用途においては、Tensor G4プロセッサーと120Hzディスプレイの恩恵により、極めて快適な動作を体感できます。
アプリの起動や切り替えもスムーズで、ストレスを感じることはほとんどありません。
ゲームに関しても、負荷の低いものであれば同様に快適です。
しかし、評価の分かれ目となるのが、高いグラフィック処理能力を要求するゲームをプレイした場合です。
次の項目で、具体的なタイトルを挙げて、その動作の詳細を解説していきます。
モンスト、ポケモンGO、原神の動作チェック

人気ゲームタイトルの動作は、スマートフォンのゲーム性能を判断する上で非常に分かりやすい指標となります。
ここでは特にユーザーの多い3つのタイトルについて、Pixel 9での動作傾向を解説します。
モンスト・ポケモンGO
まず、『モンスターストライク』や『ポケモンGO』といった、比較的グラフィック負荷が軽めから中程度のゲームについては、全く問題なく快適にプレイできます。
多くのレビューで「めっちゃ快適」と評価されており、クエスト中のエフェクトやマップ上のキャラクター表示、オンライン対戦など、あらゆる場面でカクついたり、動作が重くなったりすることはほとんど報告されていません。
これらのゲームがメインのユーザーであれば、Pixel 9の性能に不満を感じることはないと考えられます。
原神
一方で、評価が厳しくなるのが『原神』です。
このゲームは、スマートフォンにPCや家庭用ゲーム機に匹敵するほどの高い負荷をかけることで知られています。
Pixel 9で『原神』を最高画質・60fps設定でプレイすると、プレイ自体は可能ですが、「快適」とは言い難い状況です。
街中を移動している際は比較的問題ありませんが、複数の敵との戦闘が始まるとフレームレートが30fps台まで落ち込むことが多く、動きがカクつく場面が見られます。
さらに、30分程度のプレイで本体が約43℃~44℃まで発熱するという報告が複数あり、パフォーマンスの低下と熱をはっきりと体感できます。
『原神』を滑らかに楽しみたいのであれば、画質設定を「中」まで落とすなどの調整が必須となり、最高品質の体験を求めるユーザーには物足りない結果と言わざるを得ません。
懸念されるゲーム時の発熱と対策

Google Pixel 9で高負荷な3Dゲームをプレイする際に、多くのユーザーが懸念するのが本体の発熱です。
実機レビューでも、この点は繰り返し指摘されています。
Pixel 9に搭載されているTensor G4プロセッサーは、高い処理能力を持つ一方で、継続的に大きな負荷がかかると相応の熱を発生させます。
特に『原神』のようなゲームをプレイしていると、30分も経たないうちに本体背面やディスプレイ面が温かくなるのを感じ、バッテリー温度が43℃から44℃に達することも珍しくありません。
スマートフォンは、内部の精密な部品を熱から守るため、一定以上の温度に達すると自動的に性能を制限する「サーマルスロットリング」という機能が働きます。
Pixel 9はこの制御が比較的早い段階で介入する傾向があり、発熱が始まるとゲームのフレームレートが低下し、動きがカクつく原因となります。
この発熱とそれに伴う性能低下を軽減するためには、いくつかの対策が考えられます。
一つは、ゲームのグラフィック設定を下げることです。
プロセッサーへの負荷を減らすことで、発熱自体を抑えることができます。
また、物理的な対策として、スマートフォン用の冷却ファン(スマホクーラー)を使用するのも非常に有効です。
本体を外部から強制的に冷やすことで、サーマルスロットリングの発生を遅らせ、より長く安定したパフォーマンスを維持することが可能になります。
長時間のゲームプレイを想定している場合は、こうした対策を視野に入れておくと良いでしょう。
気になるバッテリー持ちは長時間遊べるか

スマートフォンのバッテリー持ちは、ゲームをどれだけ長く楽しめるかを決める重要な要素です。
Google Pixel 9は4,700mAhのバッテリーを搭載しており、日常的な使用であれば24時間以上持つとされていますが、ゲームプレイ時の消費は大きく異なります。
ウェブ閲覧やSNS、動画視聴といった一般的な使い方であれば、1日中使ってもバッテリーに余裕があることが多いです。
Pixelに搭載されている「自動調整バッテリー」機能が、使用頻度の低いアプリの電力消費を抑え、効率的にバッテリーを管理してくれます。
しかし、グラフィック負荷の高い3Dゲームは、スマートフォンの全リソースをフル活用するため、バッテリーを急速に消費します。
実機テストでは、『原神』や『崩壊:スターレイル』などを最高設定でプレイした場合、1時間で約15%~20%のバッテリーを消費し、単純計算で4~5時間程度でバッテリーが尽きる可能性があることが示されています。
ディスプレイの輝度を上げたり、120Hzのリフレッシュレートを維持したりすると、消費はさらに早まるでしょう。
このため、外出先で長時間ゲームをプレイしたい場合は、モバイルバッテリーを携帯することが推奨されます。
また、ゲームをプレイしない時間は「バッテリーセーバー」をオンにしたり、ゲーム内のグラフィック設定を下げて電力消費を抑えたりといった工夫も有効です。
Pixel 9のバッテリー性能は日常使いには十分ですが、ヘビーなゲーマーにとっては、使い方を工夫する必要があると言えます。
ゲーム性能と他機種比較で立ち位置を知る

Google Pixel 9のゲーム性能をより客観的に理解するためには、同価格帯の他のハイエンドスマートフォンと比較することが有効です。
特に、ゲーミングに強いとされるプロセッサーを搭載した機種と比べると、その特性が明確になります。
特徴 | Google Pixel 9 | Galaxy S24 Ultra (参考) | REDMAGIC 9S Pro (参考) |
SoC | Google Tensor G4 | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy | Snapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSION |
強み | AI機能、カメラ処理、OSとの連携 | 高い総合性能、Sペン、カメラ | 冷却性能、ゲーム特化機能 |
ゲーム性能 | 高負荷ゲームでは性能低下しやすい | 高いパフォーマンスを安定して維持 | 最高のパフォーマンスを長時間維持 |
発熱 | 高負荷時に発熱しやすい | 比較的抑制されている | 冷却ファン内蔵で強力に抑制 |
AnTuTuスコア | 約120万点(初回) | 約190万点以上(安定) | 約210万点以上(安定) |
表からも分かるように、Pixel 9はAI機能などに強みを持つ一方で、純粋なゲームパフォーマンスの持続性においては、Snapdragon 8 Gen 3を搭載する機種に及びません。
特に、大型のベイパーチャンバーや内蔵冷却ファンといった強力な冷却システムを備える「ゲーミングスマホ」であるREDMAGIC 9S Proと比較すると、その差は歴然です。
これは優劣の問題というよりは、各メーカーがどこに重点を置いてスマートフォンを開発しているかという「思想の違い」です。
Pixel 9は、あくまで「多くの人が日常を便利に過ごせること」を第一に考え、その上でゲームも楽しめるように作られています。
一方で、ゲーミングスマホは他の機能をある程度犠牲にしてでも、最高のゲーム体験を追求しています。
したがって、あなたがスマートフォンに何を最も求めるかによって、最適な選択肢は変わってきます。
ゲーム性能を最優先するならば、Pixel 9以外の選択肢を検討する価値は十分にあります。