新しく手にしたPixel 9で、朝のアラームや料理中のタイマーをスマートに声で操作したいと考えていませんか。
Google Pixelに搭載されているクイックフレーズという便利な機能を使えば、「OK Google」と言わなくてもアラームを音声で止めることが可能です。
しかし、いざ使おうとすると設定方法が分からなかったり、なぜかアラームが止まらないといった問題に直面することもあるかもしれません。
この記事では、Pixel9でアラームを声で止めるための基本的な設定から、うまくいかない場合の詳細な対処法までを網羅的に解説します。
音声でタイマーやアラームを停止するための設定はもちろん、もしもの時のためのアラームの止め方、例えば画面上のボタン操作や、そもそも音量ボタンで止めることはできるのか、といった具体的な疑問にもお答えします。
Pixel9でアラームを声で止めるための基本設定
- アラームを音声で止めるクイックフレーズとは
- 音声でタイマーやアラームを停止するための設定
- デフォルトのアシスタントアプリ設定を確認
- Googleアシスタントの言語設定も重要
- 基本的なアラームの止め方 ボタンでの操作
- 補足:音量ボタンで止めることはできるのか
アラームを音声で止めるクイックフレーズとは

Google Pixelに搭載されている「クイックフレーズ」とは、Googleアシスタントをより直感的かつ迅速に操作するための革新的な機能です。
通常、アシスタントに何かを頼む際には、「OK Google」や「ねえ Google」といった「ウェイクワード」と呼ばれる特定の合言葉を最初に言う必要があります。
しかし、このクイックフレーズ機能を有効にすると、特定の状況下において、その合言葉を省略していきなり指示を出すことが可能になります。
アラームやタイマーが鳴っている際に、ただ「ストップ」と言うだけでピタリと音が止まるのは、まさにこのクイックフレーズ機能のおかげです。
この仕組みの背景には、高度な音声認識技術があります。
スマートフォンは常にマイクで特定の音(ウェイクワード)を待機していますが、クイックフレーズではアラーム鳴動時など、決まった状況において「ストップ」や「スヌーズ」といった特定の単語も待機状態になります。
そして、これらの単語を認識した際の処理は、インターネット上のサーバーを介さずスマートフォン本体の中で完結する「オンデバイス処理」で行われるのが大きな特徴です。
これにより、迅速な応答と高いプライバシー保護を両立させているわけです。
この機能が真価を発揮する場面は、日常生活の至る所に存在します。
- 料理中: 小麦粉で手が汚れていたり、濡れた手で包丁を握っていたりする時にタイマーが鳴っても、声だけで安全に停止できます。
- 朝の起床時: まだ眠い中、ベッドから手を伸ばしてスマートフォンを探す必要がなく、声を発するだけで二度寝を防止できます。
- 育児や介護中: 赤ちゃんを抱いていたり、両手がふさがっていたりする状況でアラームが鳴っても、作業を中断することなく対応可能です。
言ってしまえば、物理的にスマートフォンに触れるというワンアクションを省略できる手軽さが、この機能の最大のメリットです。
ただし、便利な一方でいくつかの注意点も存在します。
例えば、意図しない音声に反応してしまう可能性です。
テレビの音声や周囲の人の会話に「ストップ」と似た響きの言葉が含まれていると、アラームが誤って止まってしまうことも考えられます。
また、クイックフレーズはアラームやタイマーだけでなく、電話の着信時に「応答」や「拒否」と話しかけることにも対応していますが、これも同様に誤作動のリスクをはらんでいます。
このように、クイックフレーズは日常の小さなストレスを解消し、よりスムーズなデジタルライフを実現してくれる強力な機能です。
その仕組みと特性を理解した上で活用することで、Pixel 9の利便性を最大限に引き出すことができるでしょう。
音声でタイマーやアラームを停止するための設定

クイックフレーズの恩恵を受けるには、事前に簡単な設定が必要です。
この設定は少し深い階層にありますが、一度覚えてしまえば簡単に行えます。
設定方法は大きく分けて2通りあります。
設定メニューをたどる方法
- まず、Pixelの「設定」アプリを開きます。
- メニューの中から「アプリ」をタップします。
- 次に「アシスタント」を選択してください。
- アシスタント関連の設定項目一覧が表示されるので、その中から「クイックフレーズ」を見つけてタップします。
- 最後に、「アラームとタイマー」という項目のスイッチをオン(有効な状態)に切り替えます。
検索機能を使う方法
設定項目を探すのが手間に感じる場合は、設定アプリ内の検索機能を使うと素早くアクセスできます。
- 「設定」アプリの最上部にある「設定を検索」というボックスをタップします。
- 「クイックフレーズ」と入力して検索を実行します。(「クイック フレーズ」のようにスペースを入れると正しく検索されない場合があるため、スペースなしでの入力を推奨します)
- 検索結果に表示された「クイックフレーズ」をタップすると、直接設定画面に移動できます。
- 「アラームとタイマー」のスイッチをオンにします。
いずれかの方法で設定を完了すれば、次回からアラームやタイマーが鳴った際に「ストップ」と話しかけるだけで停止できるようになります。
デフォルトのアシスタントアプリ設定を確認

クイックフレーズが正しく機能するためには、Pixelの標準アシスタントアプリが「Google」に設定されている必要があります。
多くの場合、初期設定でGoogleが選択されていますが、何らかの理由で他のアプリに変更されていると、クイックフレーズが利用できないことがあります。
この設定を確認する手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開き、「アプリ」をタップします。
- 「デフォルトのアプリ」を選択します。
- 項目の中から「デジタル アシスタント アプリ」をタップします。
- 一番上に表示される「デフォルトのデジタルアシスタント アプリ」の項目が「Google」になっていることを確認してください。
もし、ここが「なし」や他のアプリになっている場合は、「Google」を選択し直すことで問題が解決する可能性があります。
音声操作に関する不具合の多くは、このアシスタント設定が原因であることも考えられます。
Googleアシスタントの言語設定も重要

意外な落とし穴として、Googleアシスタントの言語設定がクイックフレーズの利用可否に影響する場合があります。
クイックフレーズ機能は、アシスタントの言語が一つだけ(例えば日本語のみ)設定されている場合に最適に動作するように設計されています。
もし、あなたがアシスタントに日本語(第一言語)と英語(第二言語)のように複数の言語を設定している場合、クイックフレーズ機能が無効化されたり、「現在、クイックフレーズはご利用いただけません」といったメッセージが表示されたりすることがあります。
この問題に対処するには、アシスタントの言語設定を見直し、使用する言語を一つに絞る必要があります。
- Googleアシスタントの設定画面を開きます。
- (「OK Google、アシスタントの設定を開いて」と話しかけるのが早いです)
- 「言語」または「You」タブ内の「言語」を選択します。
- 設定されている言語の一覧が表示されるので、主に使用する言語以外(第二言語など)があれば、それをタップして削除します。
これにより、クイックフレーズが利用可能になるケースが多く報告されています。
音声操作がうまくいかない際は、この言語設定も一度確認してみることをお勧めします。
基本的なアラームの止め方 ボタンでの操作

音声操作は非常に便利ですが、公共の場所や静かな環境など、声を出せない状況も存在します。
また、万が一音声認識がうまくいかない場合に備えて、基本的なボタン操作によるアラームの停止方法も覚えておくと安心です。
画面操作で停止する
アラームが鳴ると、ロック画面や画面全体に停止するためのインターフェースが表示されます。
多くは「ストップ(または停止)」と「スヌーズ」の2つの選択肢が大きく表示されるデザインです。
- ストップ: アラームを完全に停止させます。
- スヌーズ: アラームを一時的に停止し、設定された時間(通常は5分または10分後)に再び鳴動させます。
これらのボタンをタップまたはスライドすることで、アラームを操作できます。
通知ドロワーから停止する
もし、アラーム画面を誤って閉じてしまっても、アラーム音は鳴り続けます。
このような場合は、画面を上から下にスワイプして「通知ドロワー」を表示させてください。
通知の中に現在作動しているアラームの情報が表示されており、そこに「ストップ」や「スヌーズ」のボタンがあります。
これをタップすれば、アラーム画面を再度開くことなく操作が完了します。
補足:音量ボタンで止めることはできるのか

物理的なボタンで直感的にアラームを止めたい、と考える方もいるでしょう。
Pixelに標準搭載されているGoogle製の「時計」アプリでは、このニーズに応える設定が用意されています。
デフォルトでは音量ボタンを押してもアラームは止まりませんが、以下の手順で機能を割り当てることが可能です。
- 「時計」アプリを開きます。
- 画面右上のメニューボタン(︙)をタップし、「設定」を選択します。
- 設定項目の中をスクロールし、「音量ボタン」という項目を見つけてタップします。
- 「何もしない」「スヌーズ」「停止」の3つの選択肢が表示されます。
- ここで「停止」を選択します。
この設定をしておけば、アラーム鳴動中に端末側面の音量ボタン(上げるボタンでも下げるボタンでも可)を押すだけで、アラームを完全に停止させることができます。
ただし、この設定はあくまでGoogle製「時計」アプリ内での挙動です。
サードパーティ製の別のアラームアプリを使用している場合は、そのアプリ独自の設定を確認する必要があります。
Pixel9でアラームを声で止める機能が使えない時の対処法
- 声で操作してもアラームが止まらない場合
- まずはクイックフレーズの設定を再確認
- 時計アプリのキャッシュ削除も有効な手段
- 他のアプリの権限が干渉していないか確認
- アップデートのアンインストールも一つの手
- Pixel9でアラームを声で止めるための最終確認
- Pixel9でアラームを声で止める設定のポイントまとめ
声で操作してもアラームが止まらない場合

便利なクイックフレーズ機能を設定したにもかかわらず、いざという時に「ストップ」と話しかけてもアラームが鳴りやまない、という状況は非常に困惑するものです。
特に、以前の機種では問題なく使えていたのに、最新のPixel 9に乗り換えた途端に反応しなくなった、というケースでは、期待が大きかった分だけ落胆も大きいかもしれません。
このような問題が発生する背景には、実に様々な原因が考えられます。
多くの方がまずソフトウェアの設定ミスを疑いますが、原因はそれだけにとどまりません。
単純な設定の見落としから、アプリのデータ蓄積による一時的な不具合、他のアプリとの機能的な干渉、さらにはマイクの物理的な問題や周囲の環境まで、複数の要素が複雑に絡み合っていることも少なくないのです。
そのため、やみくもに設定をいじるのではなく、まずは問題の全体像を把握し、考えられる原因を一つずつ冷静に切り分けていくことが解決への近道となります。
考えられる主な原因のカテゴリ
音声でアラームが止まらない際にチェックすべきポイントは、大きく分けて以下の3つのカテゴリに分類できます。
- ソフトウェア(設定・アプリ)の問題最も多くの原因がここに集約されます。クイックフレーズ機能自体の設定がオフになっている、Googleアシスタントの言語設定が複数ある、時計アプリに一時的な不具合が生じている(キャッシュの問題)、他のアプリがアラーム機能を阻害している、といったケースがこれにあたります。これらは、設定画面の確認やアプリのメンテナンスで解決できる可能性が高いものです。
- ハードウェア(マイク)の問題音声操作は、当然ながらスマートフォンのマイクが正常に音声を拾えなければ機能しません。マイクの穴にホコリやゴミが詰まっている、あるいはスマートフォンケースのデザインがマイク穴を塞いでしまっている、といった物理的な原因で見過ごされがちですが、意外と多いトラブルの一つです。
- 利用環境や発声の問題テレビの音が大きい、家族が近くで会話しているなど、周囲が騒がしい環境では、あなたの「ストップ」という声が正確に認識されないことがあります。また、スマートフォンとの距離が離れすぎている、非常に小声で話している、早口すぎる、といった発声の仕方も認識精度に影響を与えると考えられます。
ここから続くセクションでは、これらの原因をさらに深掘りし、一つ一つ具体的な確認方法と対処法を詳しく解説していきます。
まずは慌てず、この記事をガイドとして、ご自身の状況に最も近い原因から探っていきましょう。
まずはクイックフレーズの設定を再確認

前述の通り、クイックフレーズ機能が有効になっていなければ、音声でのアラーム停止はできません。
トラブルシューティングの第一歩として、まずは設定が正しくオンになっているかを改めて確認しましょう。
思いがけず設定がオフになっていたり、スマートフォンのアップデートや何らかのシステム変更のタイミングで設定がリセットされてしまったりする可能性もゼロではありません。
確認手順は、基本設定のセクションで解説した通りです。
- 「設定」アプリを開き、検索ボックスで「クイックフレーズ」と検索します。
- 検索結果の「クイックフレーズ」をタップして設定画面に移動します。
- 「アラームとタイマー」の項目がオン(右側にスイッチが寄っていて、色が変化している状態)になっているかを確認します。
もし、ここがオフになっていた場合は、スイッチをタップしてオンに切り替え、再度アラームを鳴らして音声で停止できるかテストしてみてください。これが最も基本的な確認事項となります。
時計アプリのキャッシュ削除も有効な手段

アプリを長期間使用していると、「キャッシュ」と呼ばれる一時データが蓄積されていきます。
このキャッシュはアプリの動作を高速化するために利用されますが、稀にデータが破損したり、古い情報が原因で予期せぬエラーを引き起こしたりすることがあります。
「時計」アプリも例外ではなく、キャッシュが原因でアラーム機能に不具合が生じている可能性が考えられます。
キャッシュを削除することでアプリの状態がリフレッシュされ、問題が改善するかもしれません。
キャッシュを削除しても、設定したアラームの時刻やアプリのデータそのものが消えるわけではないので、安心して試すことができます。
- 「設定」アプリを開き、「アプリ」をタップします。
- 「〇個のアプリをすべて表示」をタップし、アプリ一覧から「時計」を探して選択します。
- 「ストレージとキャッシュ」という項目をタップします。
- 次の画面で「キャッシュを削除」というボタンをタップします。
これでキャッシュの削除は完了です。
この操作の後、一度スマートフォンを再起動すると、より効果的な場合があります。再起動後、アラームが正常に動作するかを確認してください。
他のアプリの権限が干渉していないか確認

Pixel(Android)には、「アラームとリマインダー」という特別な権限があり、これを持つアプリは指定した時間に通知を出したり、アラームを鳴らしたりすることができます。
しかし、標準の「時計」アプリ以外のアプリがこの権限を持つことで、システムの動作に意図しない干渉を引き起こし、アラーム関連の不具合の原因となることがあります。
例えば、ゲームアプリのスタミナ回復通知や、タスク管理アプリのリマインダー機能などが、標準アラームの挙動に影響を与えている可能性が考えられます。
以下の手順で、どのアプリがこの権限を持っているかを確認し、不要なものは無効化してみましょう。
- 「設定」アプリを開き、「アプリ」をタップします。
- 「特別なアプリアクセス」を選択します。
- 「アラームとリマインダー」をタップします。
- 権限を許可されているアプリの一覧が表示されます。
- 明らかにアラーム機能が不要と思われるアプリ(例えばゲームなど)があれば、そのアプリ名をタップし、「アラームとリマインダーの設定を許可する」のスイッチをオフにします。
特に、ロック画面のアラーム表示がおかしくなったり、意図しないタイミングでアラームが鳴ったりする不具合は、この権限設定が原因であることが多いです。
心当たりのあるアプリがないか、一度見直してみる価値は十分にあります。
アップデートのアンインストールも一つの手

標準搭載されている「時計」アプリは、Google Playストアを通じて自動的にアップデートされます。
多くの場合、アップデートによって機能が改善されたり、セキュリティが強化されたりしますが、ごく稀に、そのアップデート自体が特定の機種との間で相性問題を起こし、新たな不具合の原因となることがあります。
もし、アラームの問題が特定の時期(アプリのアップデート後など)から発生し始めたのであれば、「アップデートのアンインストール」を試すことで、問題が解決する可能性があります。
この操作は、アプリを工場出荷時のバージョン(または端末購入時のバージョン)に戻すものです。
- 「設定」アプリから「アプリ」→「時計」へと進み、アプリ情報画面を開きます。
- 画面右上のメニューボタン(︙)をタップします。
- 「アップデートのアンインストール」という項目が表示されたら、これをタップします。
- 確認のメッセージが表示されるので、内容を確認して「OK」をタップします。
ただし、この方法には注意点もあります。
アプリが古いバージョンに戻るため、最新の機能が使えなくなったり、セキュリティ上の脆弱性が残ってしまったりするリスクも伴います。
あくまで一時的な対処法として考え、もしこれで問題が解決した場合は、Googleが修正版のアップデートをリリースするのを待つのが賢明でしょう。
Pixel9でアラームを声で止めるための最終確認

「ストップ」と言ってもアラームが止まらない場合、最終的な確認点として、Googleアシスタントが音声コマンド自体を正しく認識しているかを確認しましょう。
もしかしたら、「ストップ」ではなく、「OK Google, 止めて」というように、ウェイクワードを含めた形でないと反応しない状態になっている可能性もあります。
これは、Googleアシスタントアプリが完全に初期化されていなかったり、何らかの理由でクイックフレーズが無効化され、標準のコマンド入力モードに戻っていたりする場合に起こり得ます。
一度、アラームが鳴っている状態で「OK Google, ストップ」または「OK Google, 止めて」と、ウェイクワード付きで話しかけてみてください。
もしこれでアラームが止まるようであれば、音声認識システム自体は機能していることになります。
その上で、なぜクイックフレーズ(ウェイクワードなしの「ストップ」)が機能しないのか、この記事で解説した「クイックフレーズの設定」「言語設定」「他アプリの権限」などを改めて一つずつ見直していくのが問題解決への近道となります。
対処法 | 概要 | 期待できる効果 |
クイックフレーズの再設定 | 「アラームとタイマー」が有効か確認する | 最も基本的な設定ミスを解消する |
アシスタントの言語設定 | 第二言語を削除し、言語を一つに絞る | 言語の競合による機能無効化を解決する |
キャッシュの削除 | 「時計」アプリの一時データを削除する | アプリの一時的な不具合やデータ破損を解消する |
権限の見直し | 他アプリの「アラームとリマインダー」権限を無効化する | 他アプリとの機能干渉による問題を解決する |
ウェイクワード付きで試す | 「OK Google, 止めて」と話しかけてみる | アシスタント自体の動作を確認し、問題の切り分けを行う |
これらの対処法を順に試しても改善しない場合は、スマートフォンの再起動や、システムのソフトウェアアップデートが最新であるかの確認も行ってみてください。